2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗リン脂質抗体症候群における向血栓機構の解明と分子標的療法の開発
Project/Area Number |
20591165
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
窪田 哲朗 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 准教授 (90205138)
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Keywords | 抗リン脂質抗体症候群 / 動物モデル / 抗β2-グリコプロテインI抗体 |
Research Abstract |
本研究では平成20年度には抗β2-グリコプロテインI-カルジオリピン複合体抗体(抗β2-GPI抗体)陽性の患者血清が,単球に組織因子の発現を誘導したり,血小板を活性化するケモカインの産生を誘導することなどを確認した。つづいて21年度にはモノクローナル抗β2-GPI抗体を作製し,そのような抗体を正常のマウスに投与してレーザー光線を照射すると血栓が生じやすくなるという,in vivoモデルの作出に取り組み,その成果を研究代表者が指導する大学院生の修士論文にまどめた(新居登紀子.抗リン脂質抗体症候群の動物モデルの作製.東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科平成21年度修士論文)。 22年度は,このin vivoモデルを様々な研究に使用できるように改良することに取り組んだ。すなわち,顕微鏡下の血栓観察と平行して,マウス循環血中の単核球を用いたフローサイトメトリーや,PCR法による解析で,向血栓傾向の定量的パラメータを確立することを検討した。また,前年度に作製したモノクローナル抗β2-GPI抗体の特異性をさらに精査したところ,2本鎖DNAとも交差反応することが明らかになり,抗リン脂質抗体症候群と全身性エリテマトーデスの病態形成に共通する部分があることを説明する所見として興味がもたれた(三浦修平.抗リン脂質抗体の特異性に関する研究.東京医科歯科大学保健衛生学科平成22年度卒業論文)。これらの成果は下記の国内および国際学会にて発表することになっている。 1.Trimova G, Nii T, Nishimura M, Ito S, Miura S, Miyasaka N, Kubota T.dsDNA binding activity of pathogenic cardiolipin-dependent anti-β2 glycoprotein-1 antibody. 1st Symposium of the Asian Pacific League of Associations of Rheumatology, Taipei,2011年4月. 2.西村美里,窪田哲朗.抗リン脂質抗体症候群はなぜ全身性エリテマトーデスに多いか. 第55回日本リウマチ学会,東京,2011年4月.
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Research Products
(1 results)