2008 Fiscal Year Annual Research Report
強力なリガンド抑制作用を有する受容体-Ig蛋白ヘテロダイマーの作成法と効果の検証
Project/Area Number |
20591185
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
塙 晴雄 Niigata University, 医歯学系, 講師 (40282983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 誠 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10242447)
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Keywords | 生物学的製剤 / IL-1 / 自己免疫疾患 / IL-1受容体-Igヘテロダイマー / アナキンラ |
Research Abstract |
【具体的内容】(実験方法)ラットのIL-1 receptor type II (IL-1RII)-IgとIL-1 receptor accessory protein (IL-1Racp)-Igのplasmidおよびヒトの同様なplasmidを作成し、Cos7細胞に遺伝子導入してラットとヒトのIL-1R-Igヘテロダイマーの蛋白を作成した。さらにこの培養上清から、his-tagとmyc-tagを用いてヘテロダイマーを精製した。同様にラットおよびヒトのIL-1Racp-IL-1RII-Igホモダイマー蛋白(IL-1R inline trap, rilonacept)を作成するためのplasmidを作成し、同様にCos7細胞に遺伝子導入してIL-1R inline trapを作成した。またラット線維芽細胞株(NRK49F)とヒト線維芽細胞株(MRC5)を用いて、IL-1αおよびIL-1βの抑制作用をMCP-1およびIL-8の遺伝子発現を定量的RT-PCRにて測定し、判定した。また、IL-6およびIL-23でも同様な受容体-Igのヘテロダイマーを作成し、その抑制効果を判定しようと試み、またfurin切断部位を利用して単一のplasmidからの効率的なヘテロダイマーの作成を試みた。(結果)ラットの精製前のヘテロダイマーでみられたIL-1抑制作用は、ヒトおよびラットのヘテロダイマーを精製した後でもアナキンらに比し約10000倍低濃度でもIL-1抑制作用がみられた。これは、現在治験薬として検討されているrilonaceptに比べても約100倍低濃度でもIL-1抑制効果がみられる結果であった。しかし、IL-6およびIL-23の抑制に関しては、リガンドの濃度が高くないと作用しないことなどの理由から、明らかな抑制作用を証明することはできなかった。またfurin切断部位を利用しても、かえってヘテロダイマーの作成効率は上昇せず、2つのベクターを用いた方法が現在のところもっとも確実な作成方法と思われた。【意義および重要性】IL-1は自己免疫疾患、炎症性疾患だけでなく、糖尿病や虚血性疾患など様々な疾患に関わっていることが最近言われており、IL-1R-Igヘテロダイマーはヒトでもラットでも強力なIL-1抑制作用をもつことより、今後有望な薬剤あるいは試薬となるのではないかと考えられた。
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Research Products
(2 results)