2009 Fiscal Year Annual Research Report
強力なリガンド抑制作用を有する受容体-Ig蛋白ヘテロダイマーの作成法と効果の検証
Project/Area Number |
20591185
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
塙 晴雄 Niigata University, 医歯学系, 講師 (40282983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 誠 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10242447)
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Keywords | 生物学的製剤 / IL-1 / 自己免疫疾患 / IL-1受容体-Igヘテロダイマー / アナキンラ / 鉄代謝 |
Research Abstract |
【具体的内容】(実験方法)前年度確立した方法にて、ラットのIL-1 receptor type II(IL-1RII)-IgとIL-1 receptor accessory protein(IL-1Racp)-Igのホモダイマー、ヘテロダイマーおよびIL-1RI inline-trap、IL-1RII inline trap、IL-1RAさらにヒトのIL-1 receptor type II(IL-1RII)-IgとIL-1 receptor accessory protein(IL-1Racp)-Igのホモダイマー、ヘテロダイマー、IL-1RI inline trapを作成し、glucagon-tagにて濃度測定法を統一し、それぞれのIL-1抑制効果を検討した。効果測定法は、ラット線維芽細胞株(NRK49F)とヒト線維芽細胞株(MRC5)を用いて、MCP-1およびIL-8の遺伝子発現を定量的RT-PCRにて測定し、判定した。またこの時、培養上清中のfreeのIL-1濃度をELISAにて測定し、さらにIL-1とヘテロダイーの結合が、様々な溶液中でどのように変化するかを同様にfreeのIL-1濃度の経時的変化をみることによって検討した。一方、IL-1の新たな作用を検討するために、心筋炎ラットやヒト心筋炎における、Lipocalin-2とhepcidinの動態を検討した。(結果)ラットのヘテロダイマーはglucagon-tagに統一した濃度でも、明らかに、IL-1RA IL-1RI inline-trap、IL-1RII inline trapよりも効果が見られたが、ヒトでは、IL-1RI inline trapと同程度、あるいはそれよりも軽度効果が認められる範囲であった。これは、種によってはinline trapもかなり有効である可能性を示唆しているが、効果的阻害薬を確実に作成するためには、ヘテロダイマーの方がよりよいと考えられた。またヘテロダイマーやinline trapとIL-1の結合には、ある程度の時間が必要であり、血清中の何らかの蛋白が関与していることが示唆された。IL-1の新たな作用として、鉄の代謝に関係するLipocalin-2とhepcidinの発現を誘導することが示唆された。【意義および重要性】IL-1Rヘテロダイマーは、IL-1R inline trapよりも、より確実なIL-1阻害剤になると考えられた。またIL-1との結合は、血清中の何らかの物質によって促進されることが示唆された。さらにIL-1は炎症、鉄の代謝など、体の様々な病態に関係しており、IL-1Rヘテロダイマーは、様々な疾患に効果を示す可能性が考えられる。
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Research Products
(5 results)