2010 Fiscal Year Annual Research Report
強力なリガンド抑制作用を有する受容体-Ig蛋白ヘテロダイマーの作成法と効果の検証
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20591185
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
塙 晴雄 新潟大学, 医歯学系, 講師 (40282983)
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Keywords | 生物学的製剤 / IL-1 / 徙免疫疾患 / IL-1受容体-Igヘテロダマー / アナキンラ / 鉄代謝 / ヘム / 内因性リガンド |
Research Abstract |
【具体的内容】(実験方法)ラットのIL-1 receptor type II(IL-1RII)-IgとIL-1 receptor accessory protein(IL-1Racp)-Igのホモダイマー、IL-1RI inline trap、IL-1RII inline trap、IL-1RAさらにヒトのIL-1 receptor type II(IL-1RII)-IgとIL-1 receptor accessory protein(IL-1Racp)-Igのホモダイマー、IL-1RI inline trapを作成し、glucagon-tagにて濃度を測定した。一方、ラットのIL-1 receptor type II(IL-1RII)-IgとIL-1 receptor accessory protein(IL-1Racp)-IgのヘテロダイマーおよびヒトのIL-1 receptor type II(IL-1RII)-IgとIL-1 receptor accessory protein(IL-1Racp)-IgのヘテロダイマーをGRO/CINC-2αのN端とC端の抗体をそれぞれ用いたELISA法を用いて濃度を測定した。上記のIL-1阻害薬によるIL-1αおよびIL-1βに対する阻害作用をNRK-49F,MRC-5細胞株のMCP-1の誘導抑制を定量的RT-PCRを用いて測定し比較検討した。一方、内因性リガンド(フリーのヘム)によって心臓組織在住マクロファージのIL-1、TNF-αの誘導が起こるか否か、さらにその他の誘導促進蛋白や鉄関連蛋白が誘導されるか否かを正常心臓から得られた培養細胞や初期培養細胞、細胞株などを用いて検討した。(結果)ラットおよびヒトのヘテロダイマーはIL-1RA、IL-1RI inline trap、IL-1RII inline trapよりも強い効果が見られた。これは、inline trapよりも自然な形態を示し、IL-1と結合がより強く、抑制効果が大きい可能性が示唆され、強力なIL-1阻害薬になる可能性が示唆された。一方、心臓の組織傷害で放出されると考えられる内因性リガンドのフリーのヘムは、強力な心臓在住マクロファージに対する活性化作用があり、IL-1やTNF-αを誘導し、さらに線維芽細胞、平滑筋細胞と協力して様々な炎症誘導促進蛋白、鉄関連蛋白を誘導することが明らかになった。【意義および重要性】IL-1Rヘテロダイマーは、IL-1R inline trapよりも、より強力なIL-1阻害剤になると考えられた。またフリーのヘムのような内因性のリガンドは様々な臓器傷害に密接に関わると考えられ、その時にIL-1を誘導し、これが臓器傷害に大きな影響を及ぼすことが示唆された。このように、IL-1Rヘテーロダイマーは、様々な臓器傷害に対する治療薬になりうると考えられた。
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Research Products
(4 results)