2008 Fiscal Year Annual Research Report
先天代謝異常症の治療法選択を支援する13C呼気試験による酵素活性評価システム
Project/Area Number |
20591214
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
呉 繁夫 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10205221)
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Keywords | 酵素 / 遺伝子 / 分析化学 / 先天代謝異常 / 安定同位元素 |
Research Abstract |
高グリシン血症の酵素診断を肝生検などの侵襲的な手技を行うことなしに実施する目的で、[1-^<13>C]グリシンを利用した呼気試験を開発し、2004年に特許出願した(特願2004-20934)。欠損酵素であるGCSはグリシンの脱炭酸反応を含み、1[1-^<13>C]グリシンを用い^<13>C呼気試験を10名の正常対象者と6名の高グリシン血症の患児に対し実施した。(本研究は、東北大学医学部倫理員会の承認を受けている。)患児における^<13>CO_2の排出は正常対照より極めて低値で、診断に有用である事を報告した(Kure S, et.al., Ann Neurol 59:862, 2006)。これらの経験から、安全かつ残存酵素活性の程度が評価できる^<13>C呼気試験を他の先天代謝異常症の診断に導入し、予後診断や治療法選択に有用なシステムを作る事を目的とする。システム作成上、次の条件を検討した。1)^<13>C化合物の種類と投与量、2)呼気検体の採取時間と回、3)呼気試験全体の実施時間(観察時間)、4)正常対照者における個人差の程度。初めに、13C-フェニルアラニンを用いた呼気試験を実施し、上の条件を検討した。遺伝子検査による遺伝子型と13C累積回収率の結果を比較検討する事により、13C呼気試験の結果は、フェニアルアラニン水酸化酵素の残存酵素活性よく反映することが判明した。今後、他の疾患に対して新しいシステムの開発を行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)