2010 Fiscal Year Annual Research Report
MRI、PETによる小児熱性けいれん重積における側頭葉てんかん発症機序の解明
Project/Area Number |
20591222
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
夏目 淳 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60422771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根来 民子 岡奇女子短期大学, 短期大学, 非常勤講師 (40172754)
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Keywords | MRI / 拡散強調画像 / 画像解析 / 海馬 / てんかん / 側頭葉てんかん / 熱性けいれん重積 / Volumetry |
Research Abstract |
10歳前後に発症する側頭葉てんかんと乳幼児期の熱性けいれん重積症の関連に着目し、熱性けいれん重積後に経時的にMRI、PET、脳波を行い、乳幼児期のけいれん重積が側頭葉てんかん発症にどう関わるかを解明し、側頭葉てんかんを発症する患者を早期から鑑別する方法を確立することを目的として研究を進めている。多施設共同研究で熱性けいれん重積を発症した患児の急性期MRI画像を評価し、その後の経過観察を行っている。 本年は重積発作から長期間経過観察ができた患者において、その後のてんかん発症の有無と、経時的な海馬体積の評価を行った。熱性けいれん重積後3-5年経過観察を行うことができた22例のうち発症時の拡散強調画像で片側海馬の異常がみられた6例では4例が後にてんかん発作を発症しており、一方で拡散強調画像で異常が見られなかった16例ではてんかん発症は1例のみであった。熱性けいれん重積による海馬の障害が後のてんかん発作に関わっていると考えられた。拡散強調画像で海馬の異常がみられた患者における海馬体積の経時的変化を定量した。その結果、重積発作から5年がたっても海馬の萎縮は存続しており、海馬の障害は不可逆性であると考えられた。存続する海馬の障害は内側側頭葉てんかん発症を引き起こす可能性があると考えられた。熱性けいれん重積発症後早期にMRI拡散強調画像を評価することは将来の内側側頭葉てんかん発症の予測に役立つと考えられた。
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Research Products
(8 results)