2008 Fiscal Year Annual Research Report
BAC遺伝子導入マウスを用いたStARのミトコンドリア標的シグナルの必要性の解析
Project/Area Number |
20591231
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石井 智弘 Keio University, 医学部, 助教 (70265867)
|
Keywords | steroidogenic acute regulatory protein / ステロイドホルモン / 細菌人工染色体(BAC) / ミトコンドリア標的シグナル |
Research Abstract |
本研究は,急性期ステロイドホルモン生合成におけるミトコンドリア外膜から内膜へのコレステロール転送の分子機構を解明することを最終的な目標とし,コレステロール転送の主たる調節分子であるsteroidogenic acute regulatory protein (StAR)のミトコンドリア標的シグナルの役割をin vivoでの機能解析により明らかにすることを目指すものである.当該期間は下記の経緯で, Star遺伝子本体と5'非翻訳領域47 kb, 3'非翻訳領域62kbの計114kbを含む野生型(WT)-Star BAC遺伝子を発現したStar欠損マウスを作成し,表現型を解析した. 1. WT-Star BACを精製し, C57B1/6Jマウスの受精卵に注入して,WT-Star BAC遺伝子導入マウスを作成した. 2. WT-Star BAC遺伝子導入マウスとStar欠損ヘテロ接合体マウスを交配し, WT-Star BAC遺伝子を発現したStar欠損マウス[Tg(WT)-KOマウス]を作成した. 3. Tg(WT)-KOマウスの表現型を解析し,副腎皮質ステロイドホルモン非補充下での生存率,雄性外性器所見,血清ステロイドホルモン濃度(コルチコステロン,テストステロン,エストラジオール),オイルレッドーO染色下でのステロイドホルモン産生細胞細胞質への脂肪蓄積においてWTマウスと有意差を認めないことを確認した. 以上の結果から,マウスStar遺伝子と周辺領域114kbを含むWT-StAR BACが内因性StAR機能を代償しうることが証明された.従ってこの114kbの領域が副腎・性腺でのStAR発現に十分な転写調節のcis配列を含んでいることが示唆された.
|
Research Products
(1 results)