2010 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内胎児発育不全児におけるメタボリック症候群の発症予防の栄養戦略に関する研究
Project/Area Number |
20591296
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 昌弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40343206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 彰久 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60303624)
佐藤 義朗 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30435862)
中山 淳 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30452197)
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Keywords | 胎児発育不全 / 中枢神経障害 / 合成トロンボキサンA2 / 栄養管理 |
Research Abstract |
【目的】 胎児発育不全(FGR)児の栄養管理に関しては、「メタボリック症候群の予防管理」と「神経学的予後改善のための管理」が相反しており、解決策を見いだせていない。本研究はFGR児において、メタボリック症候群発症と中枢神経障害との双方を回避できるFGR児の栄養管理方法を確立する足がかりとすることを目的とする。 【方法】 母獣に大豆油飼料またはドコサヘキサエン酸(DHA)強化飼料を与えて哺乳飼育をすることでFGRの栄養介入をおこなった。FGR-大豆油群、FGR-DHA群、対象群で大脳組織内のDHA、エイコサペンタエン酸(EPA)、アラキドン酸(AA)の含有割合についての検討を行った。 【結果】 (1)AA含有割合:日齢1において、FGR-大豆油群と対象群では有意差は認めなかったが、FGR-DHA群では、FGR-大豆油群に比してAA含有割合が有意に低かった(8.33±0.28%vs.11.77±0.41%;p<0.05)。日齢7においても同様に、FGR-DHA群でAA含有量が有意に低かった(11.91±0.41%vs.12.76±0.29%;p<0.05)。(2)DHA含有割合:日齢1において、FGR-大豆油群と対象群では有意差は認めなかったが、FGR-DHA群では、FGR-大豆油群に比してDHA含有割合が有意に高かった(13.76±0.21%vs.10.03±0.61%;p<0.05)。日齢7においても同様に、FGR-DHA群でDHA含有量が有意に高かった(12.71±0.46%vs-11.38±0.25%;p<0.05)。(3)EPA含有割合:日齢1において、FGR-大豆油群と対象群では有意差は認めなかったが、FGR-DHA群では、FGR-大豆油群に比してEPA含有割合が有意に高かった(0.74±0.12%vs.0.08±0.08%;p<0.05)。日齢7には高値の傾向があるものの有意なものではなかった(0.09±0.04%vs.0.08±0.01%;NS)。
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Research Products
(11 results)