2008 Fiscal Year Annual Research Report
病原活性を持つ新しいモノクローナル抗体を用いた落葉状天疱瘡水疱形成の解明
Project/Area Number |
20591329
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石河 晃 Keio University, 医学部, 准教授 (10202988)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 健 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50296670)
舩越 建 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80365353)
|
Keywords | 自己免疫 / 免疫電顕 / 水疱症 |
Research Abstract |
本年度は病原活性を有する新しいモノクローナル抗体のエピトープマッピングを主眼に実験を進めた。正常ヒト皮膚を急速凍結固定、凍結置換を行い、紫外線重合した後に超薄切片を作成し、免疫染色の基質に供することにより、化学固定剤を用いずに包埋後染色法による金コロイド免疫電顕法を施行することができた。しかし、抗原が膜蛋白であることから切片表面に露出する抗原の量が少ないことと、抗体がモノクローナルであることから抗原のエピトープが少ないことにより、解析に十分な反応が得られなかった。そこで、in vivoによる染色法を試みた。正常ヒト皮膚をDMEM培養液中にて器官培養し、表皮直下に新しい一本鎖モノクローナル抗体を局注し、まずは形態の変化と抗体の動向を経時的(0.5時間〜22時間)にそれぞれHE染色、蛍光抗体法にて観察した。その結果、注射10時間後、一部の検体では顆粒層レベルで水疱を形成し始め、注射後18時間後以降はすべての標本で顆粒層に水疱形成が認められた。標本によりばらつきがみられたが、注入部位の深さや抗体の周囲への漏れ出しなどに差があることが原因の一つと考えられた。しかし、蛍光抗体法にてIgGは注入後約0.5時間で表皮中層まで、また1.5時間後には表皮上層顆粒層レベルに達していることが確認できた。注射22時間後を電顕的に観察したが、棘融解細胞と棘融解に伴って生じた半割デスモソームが多数観察され、細胞間の浮腫も著明であった。また、デスモソームの数の減少も明らかであり、定量的に解析を行った。
|
Research Products
(2 results)