2009 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体分子シャペロン誘導剤のアルツハイマー病治療への応用研究
Project/Area Number |
20591403
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
工藤 喬 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (10273632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森原 剛史 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90403196)
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
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Keywords | アルツハイマー病 / 小胞体ストレス / 分子シャペロン / 脳虚血 / アポトーシス |
Research Abstract |
申請者らが発明した分子シャペロン誘導剤BIXの抗小胞体(ER)ストレス効果をin vivoで検討するために、マウスの中大脳動脈閉塞(MCAO)モデルを採用した。脳虚血施行30分前にBIXを脳室内投与し、MCAO24時間後に薬剤の効果を検討した。MCAO24時間後の脳切片を作成し、TTC染色により脳梗塞部位の計測を行ったところ、BIX投与マウスでは脳梗塞部位面積の有意な減少が認められ、特に梗塞周辺領域(penumbra)の減少が顕著であった。BIXの効果はpenumbraの減少に顕著に認められたが、その部位でのERストレスによるアポトーシスについて検討した。アポトーシス発現細胞を見るために脳切片をTUNEL染色で染めたところ、BIX投与マウスのpenumbraにおけるTUNEL陽性細胞は有意に減少していることが観察された。更に、ERストレスによるアポトーシス誘導分子であるCHOPの誘導についてin situhybridizationにて検討したところ、CHOPの誘導もBIX投与マウスのpenumbraにおいて有意に抑制されていることが観察された。これらのことから、BIX投与は脳梗塞周辺領域penumbraのERストレスを軽減し、それによるアポトーシズを抑制することで梗塞巣の増大を抑えることができることを示し、in vivoにおいてもBIXはERストレスによるアポトーシスに効果があることを示している。
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