2009 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場MRSと多チャンネルNIRSを用いた強迫性障害の薬物応答性予測に関する研究
Project/Area Number |
20591410
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
住谷 さつき The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90346594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 雅史 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20228654)
田吉 伸哉 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90403724)
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Keywords | MRS / NIRS / 強迫性障害 / 薬物応答性 / SSRI / 非定型抗精神病薬 / 脳血流 / NAA |
Research Abstract |
3T^1H-MRSと多チャンネルNIRSという2種類の機能画像手法を用いて、薬物応答性の異なる強迫性障害患者の脳内代謝物質と経時的脳血流を定量し、薬物応答性予測因子となりうる客観的指標を探索している。 3T^1H-MRSでは強迫性障害患者23人と年齢性別を一致させた健常対象者28人の左右の基底核にボクセルをおき、N-アセチルアスパラギン酸(NAA)、コリン含有物質(Cho)、クレアチン/クレアチンリン酸(creatine-phosphocreatine;Cr)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu),、ミオイノシトール(mI)の定量を行った。その結果、基底核における強迫性障害患者のNAA/Crは健常者と比較して高い傾向があり、右が左に比べて有意に高かった。Glu/Cr,Gln/Cr,mI/Cr,Cho/Crは強迫性障害患者と健常者との間に有意な差はなく、また左右差も見られなかった。この結果を平成21年4月に京都で行われた第31回日本生物学的精神医学会で発表した、 NIRSでは強迫性障害患者8人と性別、年齢、知能指数を一致させた健常被験者8人に対して、日本語版Stroop Test(ひらがな版と漢字版)を施行し、課題施行中の前頭葉の血行動態の変化を定量して解析し結果を論文として発表した。平成20年度に強迫性障害における神経化学的側面について薬物応答性との関連を含めて第104回日本精神神経学会で発表したが、その内容を論文として平成21年度に精神神経雑誌に発表した。また、強迫性障害の薬物応答性と臨床特徴について平成21年11月に京都で行われた第31回臨床精神薬理学会で、また、強迫性障害の薬物療法の現況と今後について平成22年3月に大阪で行われた第2回日本不安障害学会のシンポジウムで発表した。
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Research Products
(10 results)