2009 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場MR装置を用いた炭素同位体測定による新たな臨床評価指標の確立
Project/Area Number |
20591445
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 均 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (00325292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 雅史 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20228654)
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Keywords | 磁気共鳴学 / 代謝物 |
Research Abstract |
本年度は,13C高感度測定法開発の一環として,臨床用3T MRで使用可能な1H-13C表面コイルの製作を行った.従来使用していたコイルは,深部まで十分な感度を維持することが困難であった.そこで,本コイルでは1Hおよび13C用のそれぞれのエレメント径を大きくすることにより,より深部における感度向上を図った.また,1H用エレメントを8の字型に配置することにより,1Hと13Cの磁気的結合を物理形状で切断することとした.結果としてデカップラー使用時の性能向上が可能であった.製作に必要なケース用材質選定のために,樹脂材料やスポンジ材料等で評価実験を行った.その結果,樹脂材料では13C測定においていくつかのピーク信号が見られ,アーチファクトとなることがわかった.そこで,13C測定において不要信号を出さない材質としてスポンジ材料を選定しコイルケースを作製する結論となった.また,これに防水処理のためのディッピング塗装を行う必要があるため,強度・加工の容易さも含めて勘案して一つの材料を選択し,コイルを作製した.本コイルの完成により,従前よりより深い位置まで感度域を持ち,かつ高感度な13C測定が可能となった.また,RF負荷時のコイル温度上昇試験も行ったが,エレメントや給電点での温度上昇なども見られず,一般的な使用においては十分に安全性が担保されることが示された.本成果により,臨床評価指標の確立に向けた基盤が整備された.
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