2010 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場MR装置を用いた炭素同位体測定による新たな臨床評価指標の確立
Project/Area Number |
20591445
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 均 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (00325292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 雅史 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20228654)
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Keywords | 磁気共鳴医学 / 代謝評価 / 13C |
Research Abstract |
本年度は,1)臨床用3TMR装置を用いた13C測定の最適化,および2)新たな代謝評価のための新規13C標識化合物の検討を行った. 本学設置の臨床用3TMR装置で使用可能な13C-1Hコイルは,前年度作成したものを用いた.測定対象は13C標識化合物の水溶液あるいはサラダ油のファントムとした.本コイルを用いる際の最適送信・受信ゲインの探索および領域選択法(コイル感度域による選択およびISIS法)の比較を行った.その結果,最適ゲイン設定法を構築するとともに,ISIS法では感度が低く3Tの臨床用装置での領域選択は非常に困難であることがわかった.そこで,今後の測定はコイル感度域を全て用いた測定を行うべきであり,最初のポジショニングおよびコイルの設定が非常に重要であることが示唆された.また,プロトンデカップリング手法についても評価したが,臨床用装置では十分なパワーを入れることができずに測定値が安定せず,被験者の安全性も十分に確保できない状況のために定量評価を行うには不十分であるとの結論に達した. 新たな代謝評価を行うために,GMPグレードの1-13C-L-Phenylalanineを入手し,そのスペクトルを観測した.フェニルアラニンは神経伝達物質としての役割を持つ必須アミノ酸に一つであり,これから生成されるノルエピネフリンとドーパミンによって刺激を伝達する.蒸留水に溶解した0.2Mのファントムを作成し,臨床用装置で測定したところ174.24ppmの単一スペクトルが観測でき,測定できることが確認でした.生体での検討はできなかったが,新たな代謝評価指標の一つになり得る可能性が示唆された
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