2010 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍内休止期細胞の特性解析とその利用及び癌幹細胞としての可能性の探索
Project/Area Number |
20591493
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増永 慎一郎 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (80238914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菓子野 元郎 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (00437287)
田野 恵三 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (00183468)
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Keywords | 休止期腫瘍細胞 / 局所腫瘍制御効果 / 遠隔転移抑制効果 / 酸素化休止期腫瘍細胞分画 / p53 status / 硼素中性子捕捉療法(BNCT) / 血管新生阻害剤 / 急性低酸素細胞分画 |
Research Abstract |
平成21年度に完成させた実験動物腫瘍を用いた肺転移能検索モデルを用いて、減弱照射線量率で局所腫瘍をγ線照射した場合の遠隔転移能の評価を行い、更には、血管新生阻害剤のアバスチンをγ線照射2~3日前に併用させると、γ線照射時には局所腫瘍の急性低酸素細胞分画が低下し、そのために照射効果が増強されることが明らかとなった。現在、原子炉での硼素中性子捕捉療法(BNCT)を用いた治療実験におけるこのアバスチン投与併用の意義を、局所腫瘍制御効果と遠隔転移抑制効果の両面から解析中である。 他方、局所腫瘍内の休止期腫瘍細胞分画内のさらに酸素化された分画のγ線照射に対する感受性を選択的に検出する手法を確立できた。この細胞分画の感受性といわゆる癌幹細胞との類似性を検討したところ、休止性(quiescence)、DNA損傷からの回復能の高さ、の2点では共通性が認めらたが、低酸素環境に存在しているという癌幹細胞の特性には合致しなかった。これらの酸素化休止期腫瘍細胞分画の特性が、腫瘍細胞のp53 statusに依存することを明らかにしており、この解析手法をBNCTを用いた治療実験に適応する事によって、BNCTの特性をさらに明らかにし、BNCTによる抗腫瘍効果を高めるための新たな手法を探求するための手がかりの1つとしていきたい。
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[Journal Article] Evaluation of In vivo Radiosensitizing Activity of Etanidazole as Hypoxic Radiosensitizer Using Tumor-bearing Chick Embryo.2011
Author(s)
Abe C, Uto Y, Nakae T, Shinmoto Y, Sano K, Nakata H, Teraoka M, Endo Y, Maezawa H, Masunaga S, et al.
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Journal Title
Journal of Radiation Research
Volume: 52
Pages: 208-214
Peer Reviewed
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