2008 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌の細胞極性の制御異常と悪性化促進におけるRhoGDIβの機能解析
Project/Area Number |
20591596
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
太田 隆英 Kanazawa Medical University, 付置研究所, 准教授 (10152141)
|
Keywords | がん転移 / RhoGD1 / 細胞極性 |
Research Abstract |
ヒト大腸癌細胞株DLD-1およびイヌ正常腎上皮細胞株MDGKにおいて2重免疫蛍光染色を行い、RhoGDlβの細胞間接着部位での局在を共焦点顕微鏡で検討した。RhoGDlβは、ZO-1とよく共局在するが、E-cadher inとはあまり共局在しなかった。これはRhoGDlβがtlght junctionに局在することを示している。ヒト大腸癌組織や、マウス大腸組織含む種々の組織で同様の検討を行なったが、組織切片ではRhoGDlβの局在を明確に観察することはできず、結論は得られなかった。しかし、表皮の毛組織の一部の細胞群(血球細胞ではない)が抗RhoGDlβ抗体により特異的に非常に強く染色されるという興味ある結果が得られた。 DLD-1、MDGKに加えて、ヒト子宮頚部癌細胞株HeLaおよびマウス黒色種細胞株B16BL6を用いて、N末またはC末にGFPタグを付した2種類のRhoGDlβをトランスフェクトし、生細胞でのRhoGDlβの局在を観察した。しかし、生細胞ではRhoGDlβが細胞内に遍在するため、局在を明確に観察することはできなかった。そこで、RhoGDlβのGentrosome局在が観察可能であった固定法で固定後、抗GFP抗体と抗γ-tubulin抗体による2重免疫蛍光染色を行ったところ、少なくともHeLa細胞では、N末にGFPタグを付したRhoGDlβがcentrosomeに局在することを明瞭に確認できた。しかし、C末にタグを付したRhoGDlβ高発現細胞では、GFP-RhoGDlβのcentrosome局在が観察されなかっただけでなく、抗γ-tubulin抗体でもcentrosomeが染色されず、C末にタグを付したRhoGDlβがcentrosome形成異常を引き起こすことがわかった。これらの結果から、HeLa細胞ではRhoGDlβがcentrosomeの機能に関わっていること、また、N末とC末にGFPタグを付した場合ではRhoGDlβの機能に違いがあることがわかった。
|
Research Products
(11 results)