2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591619
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴木 秀樹 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 助教 (20322018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 渉 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60455962)
浅尾 高行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40212469)
桑野 博行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90186560)
茂木 晃 群馬大学, 医学部, 助教 (10323362)
高坂 貴行 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00507329)
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Keywords | 膵臓癌 / DNA修復遺伝子 / H2AX / MSH2 / ATM |
Research Abstract |
以前、我々は、染色体欠失にはDNA修復機構の経路が関与しており、その分子機構の異常を明らかにすることで膵臓癌の発生、進展のメカニズムを推定することが可能であることを示している結果を得た。今回、我々は膵臓癌の発生と進展をDNA修復異常の観点から追及する。膵臓癌細胞におけるDNA修復遺伝子の発現と局在を明らかにし、実際の症例の予後、stage、化学療法への反応性にどのように関与しているか追及する。具体的にはH2AX、MSH2、ATMの各遺伝子についてみていくことにする。 (1)膵臓がん臨床症例の腫瘍部の切片標本を作製し、DNA修復遺伝子およびそれに関連した遺伝子の抗体を使用して免疫組織染色を施行して、膵臓がん組織・細胞内のそれらの遺伝子の局在を明らかにするため免疫染色にて検討した。H2X、γH2AX、hMSH2、p53、ATM抗体を使用し、抗体の濃度、賦活化など条件を細かく設定中。多重染色の技術は安定したが手術検体の症例数が30例ほどと少なく、解析に不足していたため、群馬県立がんセンターから症例を30例ほど頂くこととなった。倫理委員会を通し、患者名を完全に暗号化することで承諾を得た。追加症例に関しては染色を開始している。終了しだい解析に移る (2)同様の標本を利用して腫瘍のmRNAおよび核抽出液または細胞質抽出液を採取し、RT-PCR法またはウェスタンブロット法にてそれぞれの遺伝子産生物の発現量を明らかにするため、SampleをデータシートにまとめmRNAを抽出、また核、細胞質抽出液も回収中。回収終了次第、PT-PCRを行い遺伝子産物の発現量を確認する予定。 (3)同様にして腫瘍のDNAを抽出し、これらの遺伝子の変異・欠失などを検索するとともに、DNAの構造自体がそれらの変異・欠失に影響をおよぼしているかどうかを明らかにするため、(2)と同様DNA抽出中。それぞれの症例の予後・組織型・放射線化学療法への反応性などの情報を収集し、相関を検討する予定である。
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