2008 Fiscal Year Annual Research Report
3次元脳血管画像の導入による新規マルチモダル手術支援システムの開発
Project/Area Number |
20591703
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
溝井 和夫 Akita University, 医学部, 教授 (70157519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹嶋 寿郎 秋田大学, 医学部, 准教授 (40235289)
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Keywords | 脳神経外科 / 手術機器学 / 手術支援システム |
Research Abstract |
本年度は3次元CT血管撮影(3D-CTA)と3次元回転血管撮影(3D-RA)を手術ナビゲーションシステムに導入する技術の開発に取り組んだ。(1) 3D-CTAの手術ナビゲーションシステムへの導入と精度評価 : 脳動脈瘤症例を対象として、fiducial markersを頭部に設置して3D-CTAを撮像した。この基準位置情報を含む3D-CTAのデータセットをCranial Planning Software(BrainLab)を用いて手術ナビゲーションシステムに導入し、手術の進行とともに脳血管系の偏位(vessel shift)がどの程度出現するかを検証した。結果として、脳動脈瘤の手術では、vessel shiftは軽度であり、特に、内頸動脈瘤や前交通動脈瘤など深部の動脈瘤の手術ではvessel shifは無視しうる程軽微であることが分かった。(2) 3D-RAの手術ナビゲーションシステムへの導入(基礎実験) : 3D-RAは3D-CTAと異なり骨情報を有さないため位置情報が得にくい。そこでfiducial markersによる位置情報を組み入れた3D-RAのデータセットを作成することを考案し、基礎実験としてファントム実験を行った。水を満たした透明なプラスチック製容器の中にシリコン製血管モデルを固定した。容器の外側に配置した6個のfiducial markersの位置情報を光学式位置センサにより取得してから、3D-RAを撮影した。すなわち、3D-RAの回りにfiducial markersの位置情報が配置された3D-RAのデータセットが取得され、これを手術ナビゲーションシステムに転送した。手術用顕微鏡の観察下に、ナビゲーション用ポインターを血管モデルの任意の位置に誘導し、その位置をナビゲーション装置のモニター上に表示して、位置精度の評価を行った。結果として、位置の誤差は1〜2mmであり、十分に臨床使用が可能な精度であると考えられた。
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Research Products
(4 results)