2008 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマに対するペプチドCTL療法効率化とテモゾロミドによる免疫抑制環境の改善
Project/Area Number |
20591718
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐藤 秀光 Yokohama City University, 医学研究科, 客員研究員 (70363801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 睦彦 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (60092342)
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Keywords | 脳腫瘍 / 免疫療法 / ペプチド / 細胞傷害性T細胞 / 樹状細胞 / テモゾロミド / 悪性グリオーマ |
Research Abstract |
難治性疾患として知られる悪性グリオーマは、放射線療法と抗がん剤(テモゾロミド)の併用が標準的治療であるが、それでも治癒に至る例はすくない。そこで免疫療法などあらたな治療法の開発が望まれている。脳は、免疫特権部位と知られ、免疫細胞が到達しにくいと考えられているが、その一方で、悪性度の最も高い膠芽腫に対して、免疫療法で治癒した例も我我は経験している。そこで、我々は、免疫療法の効率化を図ることを最終的な目的とする。 我々は日本人の60%以上を占めるHLA-A24に適合するペプチドにターゲットを絞って研究を行った。まず近年次々と明らかになりつつある既知のグリオーマの腫瘍抗原に対する免疫の誘導(特に細胞障害性T細胞(以下CTL)の誘導)を行った。 以下の流れで新たなグリオーマ抗原関連ペプチドを複数同定した。 1.ペプチドの設計 グリオーマ関連抗原のアミノ酸配列からHLA-A24に対応するペプチドをよりCTL、の誘導する確率が高くなるように設計した。 2.樹状細胞(以下DC)の誘導 HLA-A24の血液からDCを誘導し、ペプチドを添加の上で、CD8陽性T細胞と共培養することにより、ペプチド特異的なCTLを誘導した。 3.CTL assay HLA-A24陽性グリオーマ細胞を標的として^<51>Cr release assayを行ったところ、ペプチド特異的かつHLA-A24拘束性のCTLが誘導できたことが確認できた。 4.CTLのサイトカインプロファイル 細胞内サイトカインをFlowcytometryで解析したところ、ペプチド特異的なIFN-γの産生が確認された。これらのペプチドによる免疫または、ペプチド特異的なCTLによる免疫をおこなうことにより、グリオーマの免疫療法の可能性が開かれたと考えられる。
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Research Products
(1 results)