2009 Fiscal Year Annual Research Report
犬でのポリフェノールを用いた同種神経移植の実験的研究
Project/Area Number |
20591742
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柿木 良介 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (20314198)
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Keywords | ポリフェノール / 末梢神経保存 / 同種神経移植 / 神経再生 / 移植免疫 |
Research Abstract |
雄1頭より採取した坐骨神経を直径1mm-1.4mmのfuniclesに分割し、ポリフェノール液中に摂氏4度で28日間保存し、DMEMに2日間浸漬させてポリフェノールを洗い流し、移植直前に長さ3cmに切断した。雌犬10頭の長さ3cmの右尺骨神経片を切除してできた神経欠損をポリフェノール処理した坐骨神経片funicles 1-2本で架橋した(ポリフェノール同種神経移植モデル)。その後手術当日よりFK506を毎日1回4頭に0.02mg/Kg、4頭に0.01mg/Kg、2日に1回2頭に0.01mg/Kg術後12週間筋注した。移植後12週で、右尺骨神経の神経伝導速度および短小指外転筋のM波振幅を測定した。さらに移植神経を遠位神経縫合部の1cm遠位の尺骨神経まで含めて採取した。左尺骨神経に作製した3cm自家新鮮神経移植モデルについても同様の電気生理学的的検査と神経組織の採取を行った。また屠殺時に各犬の静脈血を採取し、FK506濃度を測定した。移植神経の遠位神経縫合部の1cm遠位の尺骨神経断面の組織形態学的検索を行った。移植神経は直ちに凍結保存して、分子生物学的検索用に保存した。 結果:ポリフェノール中で1ヶ月間保存した同種神経片は免疫抑制に有効量のFK506を投与することにより、自己神経移植とほぼ同等の神経再生を認めた。 FK506投与量とポリフェノール処理同種神経片内の神経再生には、再生神経軸索数、muscle evoked action potentialで正の強い相関が認められた。 結論:高等動物であるイヌでも、ポリフェノールの抗虚血作用は神経片保存に有効であったが、抗免疫抑制作用に関しては、同種神経移植を抑制するほどの効果はなかった。
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