2008 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄圧迫部位の血流をリアルタイムに測定するシステムの開発
Project/Area Number |
20591744
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
森野 忠夫 Ehime University, 医学部附属病院, 講師 (20380248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾形 直則 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30291503)
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Keywords | 脊髄損傷 / 虚血 / 血流測定 |
Research Abstract |
脊髄圧迫時の、圧迫部位脊髄血流をリアルタイムに測定する方法は今までないが、非接触性の赤外線血流計を用いることによって、それが可能となる可能性がある。本年度は、中空になっている50gの重錘の先端に、赤外線を通過させるシリコン(円形、直径3mm)を装着した重錘を作成した。 重錘は糸で上方から吊られており、天秤を使用することによって、まずは対側に50gの水を入れておき、その時点でつりあうようにしておいてから、徐々に水を抜いていくことによって、0〜50gまでの重さを可変的に脊髄に加えることができる装置を開発した。脊髄圧迫は、これまでに当研究室で用いてきた方法を使った。すなわち、Wistar系ラット10週齢をハロセン麻酔下にTh10レベルで椎弓切除を行い、脊髄を露出した。その部位に赤外線プローベのついた重錘をゆっくりと乗せることによって、圧迫を加えることができた。圧迫の影響の指標として、尻尾で血圧と脈拍を測定した。プレリミナリーではあるが、5gの圧迫で脊髄血流は圧迫無しの状態の50%以下まで低下した。徐々に重さを増やしていくと、20gで血流は0となり、その後は50gまで血流0の状態が続いていた。圧迫中、血圧の上昇と脈拍の増加を認めた。本年度の研究で、脊髄血流をリアルタイムに測定する装置が完成したことと、約20gの重さで脊髄血流が無くなることが分かった。来年度は、nを増やして結果の精度を上げることと、後肢運動機能を測定して、重錘の重さ、虚血の時間を変えて、脊髄えの影響を見ていく予定である。
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