2008 Fiscal Year Annual Research Report
変性関節軟骨細胞における小胞体ストレスの発生機序とその病態生理に関する研究
Project/Area Number |
20591784
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
水田 博志 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (60174025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 隼 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (40433007)
仙波 圭 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (00398190)
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / ストレス / 糖化最終産物 / 小胞体 |
Research Abstract |
ラット関節軟骨細胞培養系に糖化最終産物(AGEs)前駆体であるリボース(RB)あるいはグリコールアルデヒド(GA)を添加し、以下の解析を行った。 1.細胞内AGEs蓄積 RB(20mM)は投与4〜6日後に細胞内AGEs蓄積を認めたが、GA(300μM)は2日間の投与で細胞内にAGEs蓄積を認め、RBより細胞内へのAGEs蓄積速度が速かった。 2.小胞体ストレス発生の評価 6日間のRB投与により、軟骨細胞のCHOP mRNA発現は1.7倍に増加したが、活性型XBP1 mRNA発現とユビキチン化蛋白量は変化しなかった。一方、2日間のGA投与は、活性型XBP1とCHOPのmRNA発現をそれぞれ4倍、1.9倍に増加させ、またユビキチン化蛋白量は1.9倍に増加し、小胞体ストレスの発生が示された。 3.軟骨細胞機能の評価 6日間のRB投与は軟骨細胞のII型コラーゲン、アグリカンのmRNA発現をそれぞれ19%、50%低下させるのに対し、2日間のGA投与はII型コラーゲンmRNA発現を31%、アグリカンmRNA発現を100%低下させた。 4.軟骨細胞のアポトーシスの評価 6日間のRB投与は軟骨細胞のアポトーシスの頻度を増加させなかった。一方、2日間のGA投与は軟骨細胞のアポトーシスの頻度を11倍に増加させた。 以上の結果より、細胞内での急速なAGEs蓄積は軟骨細胞に小胞体ストレスを生じ、軟骨細胞の機能障害、さらにはアポトーシスを引き起こし得ることが実証された。
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Research Products
(1 results)