2008 Fiscal Year Annual Research Report
組織因子産生・放出に関与する血液細胞のシグナル機構の解明と遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
20591842
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中嶋 康文 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 助教 (70326239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 博司 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (20381965)
溝部 俊樹 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (50239266)
橋本 悟 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (90167578)
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Keywords | 遺伝子治療 / 静脈性血栓塞栓症 / 周術期 |
Research Abstract |
今年度は、PDEIII inhibitorによる血小板機能抑制に関与する細胞内シグナリングについて検討した。これらの研究は現在、欧米のジャーナルに投稿中である。 目的PDE III InhibitorをTKA手術周術期の使用により、血小板機能を抑制することにより、血小板、白血球の相互作用が抑制され、その結果として単球からのTissue Factor産生、血液の凝固亢進状態が抑制されることを証明する事。PDE III Inhibitorの血小板機能抑制のメカニズムをIn Vitroにおいて、血小板における細胞内シグナリングを中心に解析する事。 結果TKA周術期のミルリノン術中投与によりWhole Blood Aggregation抑制、Leukocyte-Platet Conjugate生成の抑制、GPIIb/IIIa活性化の抑制、CD62P発現の抑制、単球Tissue Factor、Fibrin Monomer Complex生成の抑制を見た。In Vitroにて、PDEIII Inhibitor(ミルリノン、シロスタゾールの臨床血中濃度に於いても)投与にて、In Vivoと同様の血小板機能抑制効果を確認した。 結論PDE III inhibitorのTKA術中投与により周術期の血小板機能抑制、白血球との相互作用抑制、及び血液のHypercoaguabilityの抑制を確認した。周術期の静脈性血栓塞栓症発生予防に有用である可能性がある。PDE III inhibitorの血小板機能抑制のメカニズムとして新たに、PI3-Akt, P38MAPK, MEK/ERK Pathway系の抑制が関与している事が示唆された。
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Research Products
(5 results)