2008 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌微小環境における脳型遊離脂肪酸結合蛋白の機能解明とバイオマーカーキットの開発
Project/Area Number |
20591854
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大園 誠一郎 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 教授 (00183228)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 達也 浜松医科大学, 医学部, 助教 (90324350)
高岡 直央 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (30467229)
寺谷 工 国立がんセンター, がん転移研究室, 研究員 (70373404)
|
Keywords | 腎癌 / 脳型遊離脂肪酸結合蛋白 / S100蛋白 / 低酸素バイオロジー / バイオマーカー |
Research Abstract |
これまでに腎細胞癌のバイオマーカーとして脳型脂肪酸結合蛋白質(B-FABP=FABP7)を同定し、その有用性についていくつかの学会で報告した。最も低侵襲な尿による早期診断キット開発の第一段階として、モノクローナル抗体を作成するためS100A1, S100A5, S100A10、B-FABP遺伝子を大腸菌の発現ベクターに導入し、形質転換した大腸菌より発現クローン株を選抜し、組み換え蛋白質をHis-Tagカラムで精製した。また、並行してB-FABPに対するかなり特異性の高いポリクローナル抗体を作成した。 次いで、B-FABP蛋白質の機能を解明するため、プロモーター解析を行った。開始コドンより-1000bpの核酸をルシフェラーゼ発現ベクターにサブクローニングした。プロモーターアッセイによりB-FABPの発現にNF1の関与が示唆された。これは脂質代謝の面からも興味深い結果である。 また、癌の基本環境は低酸素状態であり、細胞の低酸素ストレス応答反応として、解糖系の活性化や血管新生の誘導がおこる。腎癌におけるB-FABPの発現がこの点にどのように関与しているかを検討するために、腎癌のいくつかのcell lineで低酸素培養を行った。HIF2αの発現がほとんどのcell lineで認められた。S100A10プロモーターの解析を含めたさらなる解析が必要である。 さらに、S100蛋白ファミリーの中で癌の浸潤や転移に関与している可能性の高いS100A4の発現を免疫染色により観察した。High Gradeなほど高発現している印象がある。今後、S100A4の細胞内局在との関連と合わせて、悪性度や予後との関係を明らかにする予定である。
|
Research Products
(16 results)