2010 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌微小環境における脳型遊離脂肪酸結合蛋白の機能解明とバイオマーカーキットの開発
Project/Area Number |
20591854
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大園 誠一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00183228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 達也 浜松医科大学, 医学部付属病院, 講師 (90324350)
高岡 直央 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (30467229)
寺谷 工 自治医科大学, 医学部, 助教 (70373404)
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Keywords | 腎癌 / 脳型遊離脂肪酸結合蛋白 / S100蛋白 / 低酸素バイオロジー / バイオマーカー |
Research Abstract |
腎細胞癌において、有用な腫瘍マーカーは存在しないのが現状である。我々は、新たな腫瘍マーカーとして脳型脂肪酸結合蛋白質(B-FABP=FABP7)を見出し、術前の患者尿に認められるB-FABP mRNAは術後には消失することを発見し、その有用性について報告した。最も低侵襲な尿による早期診断キット開発の第一段階として、B-FABPに対するかなり特異性の高いポリクローナル抗体を作成し、尿からのB-FABPの蛋白発現を検討した。精度の向上が課題となった。次いで、B-FABP蛋白質の機能を解明するため、プロモーター解析を行った。開始コドンより-1000bpの核酸をルシフェラーゼ発現ベクターにサブクローニングした。プロモーターアッセイによりB-FABPの発現にBrn2、NF1、YY1の関与が示唆された。特にBrn2はB-FABPの発現に抑制的に作用することを明らかにした。また、癌の基本環境は低酸素状態であり、細胞の低酸素ストレス応答反応として、解糖系の活性化や血管新生の誘導がおこる。腎癌におけるB-FABPの発現がこの点にどのように関与しているかを調べるために、低酸素培養での細胞周期の検討ならびにB-FABPと親和性の高い多価不飽和脂肪酸負荷時での細胞増殖、細胞遊走能について検討した。ある特定の脂肪酸負荷により細胞増殖抑制が生じることを明らかにした。今後、動物実験レベルで検討する予定である。これらの解析結果から、さらなる発展が期待される。
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Research Products
(18 results)