2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591901
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
早川 邦弘 Fujita Health University, 医学部, 准教授 (00198821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星長 清隆 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (30229174)
日下 守 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (40309141)
佐々木 ひと美 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (00319261)
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Keywords | ドナー年齢 / レシピエント年齢 / 温阻血時間 / 総阻血時間 / 摘出時クレアチニン値 / グラフト生着率 |
Research Abstract |
当院にて摘出を行なった平成20年までの献腎移植症例の蓄積と研究期間である平成20年以降の前向き検討の対象となった症例を加えた全413症例を対象として全移植施設からアンケート方式でデータを集積して解析した。その結果、ドナー年齢60歳以上の腎臓と50歳から59歳までの腎臓で高血圧の既往または脳血管死亡の群を対象とした場合、レシピエントとして30歳未満の若年者に移植した場合は30歳以上のレシピエントに移植した場合と比較して有意に移植腎生着率が劣ることが判明した(P<0.01)。すなわち、これまでの調査による移植腎の生着率は30歳未満に移植した場合3年、5年、10年生着率はそれぞれ53.9,38.5,23.1%であり、30歳以上に移植した場合は71.3,59.6,43.4%であった。また早期腎機能発現症例は、摘出直前クレアチニン2.0mg/dl、総阻血時間6時間未満、レシピエント年齢25歳未満の群に有意に多く見られた(P<0.01)。多変量解析でのステップワイズ法による変数選択の結果でも同じ3つの要因が、早期腎機能発現に対する独立した寄与因子として選択された。以上よりこれまでの検討からは献腎移植においては良好な摘出直前クレアチニン値と短い総阻血時間、さらに若いレシピエントへの移植が早期腎機能発現を得る上で重要な要因であることが考えられた。また、グラフトの機能発現に関与する遺伝子の網羅的解析は現在平成20年度以降の前向き症例を対象として解析検討中である。
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Research Products
(2 results)