2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゴナドトロピン分泌における大脳視床下部生理活性物質の作用機序に関する研究
Project/Area Number |
20591916
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
宮崎 康二 島根大学, 医学部, 教授 (50145322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金崎 春彦 島根大学, 医学部, 講師 (10325053)
折出 亜希 島根大学, 医学部, 助教 (00423278)
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Keywords | GnRH / MKP / ERK / ゴナドトロピン |
Research Abstract |
【目的】ゴナドトロピンサブユニット発現にExtracellular signal-regulated kinase(ERK)の活性化が重要とされているが、MAP kinase phosphatase-1 (MKP-1)はERKを脱リン酸化して不活性化する。MKP-1とゴナドトロピンサブユニット発現への関与について検討した。 【方法】ゴナドトロピン産生モデル細胞としてLbT2細胞を用いた。siRNAを用いたMKP-1ノックダウン及びMKP-1発現ベクターを用いて過剰発現を行った。ゴナドトロピンサブユニット発現をはルシフェラーゼベクターを用いたプロモーターアッセイで評価した。 【成績】MKP-1はGnRH刺激によりその発現が増加した。siRNAによるMKP-1のノックダウンでGnRHによるMKP-1発現は減少し、ERK活性は増強したが、LHb及びFSHb発現は増加しなかった。MKP-1の過剰発現ではGnRHによるMKP-1発現はMockに比べて増加し、ERK活性は減少した。この時LHb、FSHb発現は有意に減少した。Insulin-like growth factor-1(IGF-1)はGnRHと同様ERKを活性化するが、MKP-1発現は生じず、ゴナドトロピン発現能を有しなかった。また、GnRHパルス状刺激においては、高頻度GnRHパルス刺激においてのみMKP-1発現を認めた。 【結論】ゴナドトロピン産生細胞においてMKP-1はERK脱リン酸化酵素としての働きのみではなく、ゴナドトロピンサブユニット発現に対する直接的な作用を持つ可能性が考えられる。
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Research Products
(4 results)