2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592030
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 有美 (鴇田 有美) Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 技術補佐員 (60396439)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 俊朝 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90191858)
|
Keywords | バソヒビン / 糖尿病 / 網膜症 / 血漿 |
Research Abstract |
研究の目的:糖尿病網膜症に対する光凝固治療後などの新しい治療評価マーカーとして、また、新しい抗新生血管抑制薬になる可能性の検討のために今回の研究費の目的を立てた。平成21年度には下記の重要なことが判明した。 結果:(1)糖尿病網膜症患者血漿を250名分収集し血漿中のバゾヒビン濃度の測定を開始し、臨床データの収集も行い、血漿中のバソヒビン量と臨床像の比較をおこなった。これまでの検討では増殖性の変化が強いほど血漿中のバソヒビン濃度が低い傾向にあることが推測された。網膜機能との相関についてはこれまでのところ有意に相関しているものは見られていない。 (2)ラット網膜色素上皮細胞株(RPEJ)の培養系を用いてバゾヒビン遺伝子が発現していることを確認したが、ウエスタンでは完全長よりも少し短い36kDaが主に発現していると推測された。興味深いことにこのバソヒビンを強制発現させるとその細胞は血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の発現が有意に減少することが判明した。さらに虚血負荷をかけると細胞は増殖が抑制されるが、VEGFは細胞の増殖低下を抑制する。しかしバソヒビンはこの機能を抑制することが推測された。さらにバソヒビン強制発現細胞は非発現細胞やコントロールベクター導入細胞よりも虚血負荷条件下では細胞増殖能が低いことが推測された。このことはこれまでのところ正常培養状態では見られていない。
|
Research Products
(5 results)