2008 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症に伴う重症末梢神経炎の発生機序の解明-第X因子阻害薬の保護効果の検討-
Project/Area Number |
20592130
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
日野 博文 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 准教授 (70308500)
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Keywords | 脳神経疾患 / 救命 / 生理学 |
Research Abstract |
平成20年度の研究を遂行するにあたり、lipopolysaccharide(LPS)連続投与ラットモデルを作成し、安定した研究データを得ることが可能となった。 本年度に当該モデルにおいて施行した実験は(1)末梢神経血流速度の計測、末梢神経における誘発電位検査(潜時、振幅、神経伝導速度)、(2)danaparoid sodiumおよびantithrolnbinIII投与効果の検討である。 実験(1)に関しては、ラットを対照群、LPS投与群(各n=10)に無作為に分類してLPSもしくは生理的食塩水を48時間投与した後に実験を行った。各測定項目に関して安定したデータが得られ、この結果が本研究の想定疾患である敗血症に伴う重症末梢神経炎の臨床像に極めて近似していることが判明した。また、LPS連続投与に伴う誘発電位検査における変化が活動電位の閾値の変化によるものか軸索変性によるものかを判断するために以下の追加実験を行った。当該モデルにおいてラットを実験(1)と同じ区分に分け、48時間後に最大上刺激強度の計測および、最大上東轍強度の2倍、5倍値を求めた。この結果、LPS投与時の活動電位の閾値の変化が誘発電位検査の変化に大きな影響を与えていることが新たに判明した。 実験(2)においては、ラット(n=80)を無作為に8群(対象群、LPS投与群、danaparoid単独投与群、LPS+dalaparoid投与群、an tithrombinIII投与群、LPS+antithrombinIII投与群、danaparoid+antithrombinIII投与群、LPS+danaparoid+antithrombinIII投与群;各群n=10)に分類し、当該モデルにおける末梢神経血流速度および誘発電位検査においてdanaparoid sodiumおよびantithrombinIIIの投与効果を検討した。本研究の結果として有益な成果が得られ、単独投与群とdanaparoid sodium/antithrombinIII同時投与との比較においても興味深い結果が得られた。
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