2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝に対する組織レニン‐アンギオテンシン系の影響
Project/Area Number |
20592176
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坂東 健二郎 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50347093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松口 徹也 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10303629)
大西 智和 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30244247)
柿元 協子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40274849)
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Keywords | アンギオテンシンII / AT2受容体 / AT1受容体 / AMPK / 骨芽細胞 / 軟骨芽細胞 / Metformin / RANKL |
Research Abstract |
マウス新生仔頭蓋冠より骨芽細胞を採取し、アスコルビン酸含有分化培地で0〜3週間、分化させ、アンギオテンシンII1型(AT1)および2型(AT2)受容体の発現をウエスタンブロット法により確認したところ、いずれの受容体も分化が進むに連れて発現が高くなったが、AT2受容体でより顕著であった。AT1受容体とAT2受容体は拮抗的な細胞内シグナルを伝達すると考えられているので、さらなる解析のため、それぞれの受容体の発現ベクターを作成中である。 さらに、マウス初代培養骨芽細胞の分化培地にアンギオテンシンII(AII)を添加し、0〜3週間培養し、骨分化マーカー(オステオカルシン、ALP)のmRNAの発現をコントロール群と比較したが、顕著な差は認められなかった。しかし、骨芽細胞をAIIで刺激すると短時間でERKのリン酸化が認められた。また、AIIを添加してから3〜12時間後には、RANKL、MCP-1などのmRNAの発現が亢進した。今後、これらの効果がATI、AT2いずれの受容体を介する影響なのか解析を進めていく。 次に、マウス新生仔膝関節より採取した軟骨芽細胞をAIIで刺激したところ、AMPKの脱リン酸化が認められた。そこで、AMPKシグナルが軟骨分化にどのような影響を与えるのか調べるため、マウス初代培養軟骨芽細胞の培地にAMPKの活性化剤であるMetforminを添加し、軟骨分化マーカーのmRNAの発現をコントロール群と比較した。すると、ALPとcolXa1の発現がMetformin添加により抑制されたが、Sox5、Sox9、co12alなどの発現は影響を受けなかった。また、Metforminは軟骨基質の生成には影響を与えなかったが、石灰化を抑制する事をアリザリンレッド染色などで確認した。これらは、AMPKシグナルは軟骨分化の初期には影響を与えないが終期は抑制的に働く事を示唆している。
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Research Products
(1 results)