2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔・顔面領域での神経因性疼痛発症・維持に伴う神経栄養因子の関与について
Project/Area Number |
20592183
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
米原 典史 奥羽大学, 薬学部, 教授 (70124534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 元秀 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (70192169)
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Keywords | 求心路遮断性疼痛 / アロディニア / 痛覚過敏 / 神経栄養因子 |
Research Abstract |
本研究では神経因性疼痛の発症機序および治療方法を検討するため、神経因性疼痛を誘発する動物モデルを作成し、神経因性疼痛にたいする各種神経栄養因子の効果を調べた。 熱刺激に対する逃避時間は、正常動物では左側では9.3±0.2秒、右側は9.1±0.1秒(例数30)であった。坐骨神経結紮により、結紮側(左側)では、結紮7日目から熱刺激に対する逃避時間の短縮(痛覚過敏)が生じ、10日から14日目にかけ最大となった。この症状は2か月以上続いた。結紮14日目の逃避時間は、結紮側(左側:6.1±0,09秒)、正常側(右側:8.9±0.1秒、例数30)であった。 神経結紮時、結紮部位に神経栄養因子を塗布した群では、生理食塩水(生食)塗布群に比べ熱刺激に対する痛覚過敏の発症(逃避行動時間の短縮)が著しく遅延した。特に、酸化型ガレクチン塗布群では、結紮直後から28日目にかけて結紮側の逃避行動の延長が観察された。逃避時間の短縮は、酸化型ガレクチン投与群では結紮後31日で発症した。アルテミンおよび血小板由来神経栄養因子(BDNF)含有分画を塗布した群では、生理食塩水塗布群に比べ熱刺激に対する痛覚過敏の発症(逃避行動時間の短縮)が著しく抑制されたが、酸化型ガレクチン塗布群と異なり、結紮側の逃避行動の延長(鎮痛効果)は観察されなかった。
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Research Products
(8 results)