2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯原性腫瘍の組織型発現の決定因子に関する分子病理学的研究
Project/Area Number |
20592208
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
武田 泰典 Iwate Medical University, 歯学部, 教授 (60137536)
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Keywords | 病理学 / 歯原性腫瘍 / 組織型 / 上皮間葉相互作用 / マクロファージ / 周辺性腫瘍 / 癌遺伝子産物 / 細胞増殖活性 |
Research Abstract |
1 エナメル上皮腫の腫瘍細胞とマクロファージとの相互作用について 上皮とマクロファージとからなる病変として疣状黄色腫が知られている。部分的にではあるが同様の所見が角化嚢胞性歯原性腫瘍にもみられることがあるが、他の上皮性歯原性腫瘍でマクロファージと腫瘍上皮との関連を検索した報告はない。そこで、この点について検索した結果、稀ではあるが、マクロファージが増殖腫瘍細胞間に、あるいは腫瘍胞巣に接して集簇することがあることを確認できた。引き続き細胞間相互作用があるか否かを検討する。 2 周辺性歯原性腫瘍における被覆上皮基底層の細胞学的性状について これまでに蒐集できた周辺性歯原性腫瘍について、腫瘍と被覆上皮との移行部の細胞骨格の性状、癌遺伝子産物、細胞増殖活性等について検索した。その結果、これらのタンパクの発現や細胞増殖活性に興味深い所見が見出され、現在追試中である。 3 再発性歯原性腫瘍の特異な浸潤性について 再発したエナメル上皮腫例を用い、一次症例と比較して周囲組織への発育状況に差異があるか否かを検討した。その結果、切断神経腫に向かって小胞巣を形成しながら増殖する所見を見出した。 4 エナメル上皮腫由来細胞からの不死化上皮細胞株の樹立の試み 新たに立ち上げたもので、現在コロニー形成細胞をクローニング中である。不死化上皮細胞株の樹立がなされれば、ヒトエナメル質の形成メカニズムはもとより、種々の因子を作用させることにより、in vitroならびにin vivoで腫瘍誘発モデルの作成も可能となると思われる。
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