2009 Fiscal Year Annual Research Report
根面齲蝕の病態・病因の解析に基づく新しい診断法と治療法の開発
Project/Area Number |
20592229
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松尾 敬志 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30173800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 和美 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90214121)
中江 英明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30227730)
菅 俊行 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60243713)
細川 義隆 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (90346601)
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Keywords | 象牙細管侵入細菌 / 歯髄応答 / 自然免疫 / 病原体特異的分子パターン / パターン認識受容体 / 茶カテキン |
Research Abstract |
本年度は象牙細管侵入細菌に対する歯髄応答の解析に重点をおいて検討した。すなわち、自然免疫機構で重要な働きをしている病原体特異的分子パターン(PAMPS)およびその受容体であるパターン認識受容体(PRR)について、歯髄細胞を用いて検討した。その結果、歯髄細胞はPRRであるTLR2, NOD1,そしてNOD2を発現しており、これらを通じて炎症性サイトカインのIL-8やIL-6、そしてプロスタグランジンE2やCOX-2、ケモカインのMCP-1やIP-10を産生することを明らかにした(Journal of Dental Research 88, 2009)。また、抗炎症作用があるとされる茶カテキンの歯髄炎に対する応用を検討ずる目的で、自然免疫機構発動による炎症反応における茶カテキンの作用を検討し、その歯髄炎治療薬としての有用性を確認した。現在、さらに詳細な解析を行っている。 また、根面齲蝕の主要な細菌として知られるStreptococcus mutansの病原性を遺伝子レベルで解析した。その結果、S. mutansのスクロース特異的糖輸送機構をコードするScrA、および耐酸性に関与するストレスタンパクをコードするhtrA遺伝子が菌の初期付着やグルカン合成、菌体表面の性状に深く関与しており、これらの遺伝子の欠落株では象牙細管への侵入率が著しく低下することを突き止めた。この知見は、新しい象牙質齲蝕治療法(象牙質細菌封じ込め法:STOC)への道を切り開く一歩になると期待される。
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Research Products
(2 results)