2008 Fiscal Year Annual Research Report
グリコサミノグリカンを用いた歯髄・根尖歯周組織の局所的・連続的再生療法の検討
Project/Area Number |
20592231
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
北村 知昭 Kyushu Dental College, 歯学部, 准教授 (50265005)
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Keywords | 歯髄再生 / 象牙芽細胞 / ヒアルロン酸 / FGF-2 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は歯髄・根尖歯周組織に各種グリコサミノグリカン(GAG)を応用し象牙質-歯髄複合体及び根尖歯周組織の局所的・連続的再生療法を確立にある.これまでに私達は,歯髄創傷治癒過程での歯髄アポトーシスと修復象牙質形成の相互作用や歯髄細胞回復能への各種刺激の影響について明らかにしてきた.またgelatinhydrogelからのFGF-2徐放による象牙質欠損部への新生象牙質形成誘導や象牙芽細胞様歯髄細胞株の樹立等,歯髄再生に必須の研究成果を挙げてきた.本年度の研究結果は2点に大別される.第1点は,これまでの成果を発展させ,細菌性リボ多糖(LPS)刺激に対し樹立象牙芽細胞様細胞が炎症応答を示すことおよびオゾン水によりLPS刺激が抑制されること(Noguchi et al., J Endod, 2009in press),また,gelatin hydrogelから徐放されるFGF-2量を制御することで象牙質欠損部に増殖した歯髄組織最表層にdentin bridgeを誘導できることを明らかにした(Ishimatsu et al., J Endod,2009 in press).さらに,GAGの1つであるピアルロン酸による神経細胞分化(突起伸長)抑制メカニズムをPCI2細胞を用いたin vitro実験系で明らかにするとともに,再生医療用スキャフォールドとしてのピアルロン酸スポンジの有用性を明らかにするためin vitro, in vivo実験系でコラーゲンスポンジと比較し細胞付着あるいは炎症応答におけるピアルロン酸スポンジの有用性を明らかにした.両成果は現在投稿中である.第2点は,本研究費の購入備品であるマイクロスコープを用い,将来的に実施する傷害を受けた歯髄あるいは根尖病変組織の採取方法確立に向けて,顕微鏡下での治療器具の検討等を実施した.今後は器具改良と組織採取・保存について検討予定である.
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Research Products
(35 results)