2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己由来増殖因子による歯髄幹細胞の増殖および分化誘導活性の解析とその意義
Project/Area Number |
20592232
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
片山 直 Meikai University, 歯学部, 教授 (10105596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 幸生 明海大学, 歯学部, 教授 (40207931)
石原 祥世 明海大学, 歯学部, 講師 (10223017)
須田 朋代 明海大学, 歯学部, 助教 (60226579)
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Keywords | 再生医学 / 歯学 / 歯髄 / 生体材料 / PRP |
Research Abstract |
申請者は、安全で効果的な歯髄組織再生療法を確立するための基礎的データを集積するため、ヒト誌随細胞の増殖および分化に対する自己由来増殖因子の効果を検討した。自己由来増殖因子の供給源として改良PRP療伝の可能性を検討し、以下の研究を計画実施した。現在までの研究結果から、増殖促進効果は血小板中の増殖因子の中でも特に、TGF-βに大きく依存する事。しかしながら、血漿を除去することにより、臨床応用を計る上で、創傷部位に増殖因子の濃度を維持するための何らかの架橋体が必要であることを明らかになっている。さらに、歯髄細胞中にごく微量存在すると考えられる、歯髄幹細胞に対する自己由来増殖因子、ことに、TGF-βスーパーファミリーに分類されるBMP-2の作用を詳細に解析したいと考え、以下に結果を得た。 1)ヒト歯髄細胞の増殖および分化に対する洗浄血小板の効果:洗浄血小板はヒト歯髄細胞の初期増殖を有意に促進した。また、この増殖促進効果はTGF-βIIレセプターの阻害剤であるSB431542により有意に抑制された。2)ヒト歯髄細胞の分化および石灰化に及ぼす洗浄血小板およびBMP-2の効果:洗浄血小板お上びBMP-2はヒト歯髄細胞の石灰化を有意に促進した。また、両者は石灰化に伴い発現されるオステオカルシン遺伝子発現を促進した。しかしながら、洗浄血小板によるオステオカルシン遺伝子の発現は、TGF-βIIレセプターの阻害剤であるSB431542により有意に抑制されたため、同細胞における増殖と分化のスイッテがTGF-β及び、BMP-2によりどのようにコントロールされているのかを詳細に検討する必要あるものと考えられる。 現在、ヒト歯髄細胞の、増殖、石灰化時期を細分し、それぞれに時期に発現する関連遺伝子発現をリアルタイムPCRにより検討中である。
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