2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己修復型接着システムによる象牙質接合界面の耐久性向上
Project/Area Number |
20592237
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮崎 真至 Nihon University, 歯学部, 教授 (70239391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細矢 由美子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80112803)
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Keywords | 歯質接着性 / コンポジットレジン / 再石灰化 / 接着試験 / 超音波特性 / 耐久性 |
Research Abstract |
象牙質接着システムの接着耐久性を向上させるために,微量元素によって象牙質の再石灰化を促進させる次世代自己修復型接着システムの開発の一環として,歯質の石灰化に関与する微量元素であるSiに着目した。このSiを含有する自己修復型接着システムとして,フルオロアルミノシリケートガラス粉末の超微細粒子を添加した接着材を試作した。組成としては,アルミノシリケートガラスを主体とするものであり,すでにSurface Reacted Glass Fillerとして実用化されているものを使用した。この接着システムを用いて製作された試片について,その象牙質接合界面について歯質接着性試験ならびにフィールドエミッション走査電子顕微鏡を用いた接着界面の形態的観察を行った。さらに,広く工業界あるいは医学領域でも使用されている超音波パルス法に着目し,本法を用いてレジンと歯質との接合界面における超音波特性を非破壊的に測定した。 その結果,レジンの浸透した脱灰象牙質の物性は,ボンディング材の物性に影響を受けることが判明するとともに,象牙質はその硬さを無機質であるハイドロキシアパタイトに依存しているが,これがボンディング材から供給されるイオンの影響で耐久性に優れた接着を発揮する可能性が示唆された。また,脱灰樹脂含浸象牙質の物性は,長期水中浸漬によっても安定しており,これが優れた接着耐久性を示す要因となる可能性が示唆された。以上のように,試作接着システムは,自らリリースするイオンの影響を発揮することによって,歯質接着性を故王穣させる可能性が示唆された。
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Research Products
(18 results)