2010 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟性運動を再現する導電性高分子アクチュエータを用いた人工舌の開発
Project/Area Number |
20592291
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
大久保 力廣 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10223760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久保 裕司 鶴見大学, 歯学部, 講師 (20225410)
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Keywords | 人工舌 / ブイジカルモデル / アクチュエータ / 舌モデル / 軟組織モデル / 軟性アクチュエータ / 柔軟性運動 / 自己駆動機構 |
Research Abstract |
昨年度,我々は人工舌のフィジカルモデル作製の際に,適切な形態・位置変化を表現するために適したアクチュエータを開発し,舌モデルの検証を行った.アクチュエータの製作に際しては,複数のアクチュエータを個別に制御した場合,各アクチュエータ間の相互干渉によって制御性能の劣化やハンチングを生じることから,人工舌に適切な形態・位置変化を行わせるためのアクチュエータの配置や相互干渉を検証し,軟組織モデルを構築するのに適した軟性空気圧アクチュエータモデルを試作した.また,過去の文献(2008横江)等を参考に,アクチュエータを実際に配置し,適切な形態変化・位置的変化が生じることを肉眼的に観察した.いくつものプロトタイプを試作した結果,空気圧とナイロンストリングの張力を利用した2WAY方式の軟性アクチュエータを舌の柔軟性運動を再現する最適モデルと決定した. 本年度は,開発した2WAY方式プロトタイプモデルは,アクチュエータ同士の干渉もまったく無く,従来までの多関節ロボットでは到達できない,舌固有の曲線でリズミカルな柔軟性運動と形態の多様化を再現することが可能であることを確認した. しかしながら,空気圧を利用することから舌本来の動態を実現するためには,駆動源および圧搾機構部の確保が必要である.基本的には超小型バッテリー(内蔵式)を採用するか,将来的には無線電力供給システムを応用することを視野にいれる必要があるが,実際の臨床応用へのハードルは高い.そこで,駆動源を必要としなくても自己駆動機構を有し,口腔中央付近に存在する食物を運搬し,リズミカルな嚥下を実現する人工舌の開発も併せて行った.
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