2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592293
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 貴信 Aichi Gakuin University, 歯学部有床義歯学講座, 教授 (60014271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾澤 昌悟 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (50323720)
中村 好徳 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (70308782)
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Keywords | 変動磁場 / 骨芽細胞 / 石灰化 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
歯科用磁性アタッチメントは既に補綴歯科臨床に幅広く応用され,その有用性は確立されている.一方磁気を利用した骨折の治癒促進効果については数多く報告があり,磁場の生体応用に関する可能性を示しているが,そのメカニズムについては不明な点が多い,本研究は磁場刺激に対する生体反応を細胞レベルで捉え,遺伝子の変化に着目して詳細な検討を行うことを目的とする. 実験にはマウス頭蓋冠由来の骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)と線維芽細胞(L929)を,それぞれ6穴プレートに播種した.曝磁には,実験用の磁場発生機を使用して周波数0.8Hz,400mT,0.25sec傾斜,6sec周期の台形波を発生させ,培養2日目に6時間変動磁場を曝磁した.磁場の反応は細胞の増殖活性およびアルカリフォスファターゼ(ALP)活性,骨形成に関係する遺伝子のリアルタイムPCRによる発現解析を行った.解析の結果,骨芽細胞と線維芽細胞の増殖において磁場刺激の影響は観察されなかった.一方ALP活性においては,磁場刺激後に促進する傾向がみられた.リアルタイムPCRでは,ALPの遺伝子発現では磁場刺激による有意な発現量の差は認められなかったが,オステオカルシンやI型コラーゲンの発現パターンが変化することが観察された.線維芽細胞であるL929ではこれらの遺伝子発現は観察されなかった.これらの結果は磁場刺激が,骨芽細胞の分化に影響を与えるが,その発現量よりも,一連の遺伝子発現パターンに変化を及ぼすことを示唆している.
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