2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592293
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
田中 貴信 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60014271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾澤 昌悟 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (50323720)
中村 好徳 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (70308782)
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Keywords | 変動磁場 / 骨芽細胞 / 石灰化 / 遺伝子発現 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
今年度は変動磁場がマウス頭蓋冠由来の骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)と線維芽細胞(L929)に与える影響を検索することを目的に,細胞増殖および,骨芽細胞への分化と石灰化結節の形成,マイクロアレイ法による遺伝子の変動を観察した.その結果,骨芽細胞培養において,曝磁後初期(3日目)のみに細胞増殖活性の促進が見られ,分化の指標であるALP活性では,7日目,10日目に活性の有意な上昇がみられた。線維芽細胞ではこれらの現象は観察されなかった.これが細胞の遺伝子発現の変化によるものかを検証するために,マウスゲノムアレイを用いて,網羅的な遺伝子発現の変化を調べた.すなわち各細胞を6時間曝磁後にRNAを抽出し,ラベリング後マイクロアレイチップとハイブリダイゼーションを行った.同様にして繰り返し実験を2回追加して統計解析を行い,曝磁による遺伝子の発現差を算出する共に,false discovery rateを求めた.曝磁後に有意に発現が促進あるいは抑制された遺伝子は,骨芽細胞では4遺伝子ずつ,線維芽細胞では促進された遺伝子が1つのみで,有意に抑制された遺伝子は抽出できなかった.これらの結果は磁場刺激が,遺伝子発現に与える影響はごく僅かであり,細胞に対する為害性の少なさを示すと共に,生体内で磁場刺激を与える安全性も示唆している.今後,骨芽細胞において変化のみられた遺伝子の機能解析を行うことにより,磁場の生体への影響のメカニズムを明らかできる可能性を示している.
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