2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592311
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
矢島 安朝 Tokyo Dental College, 歯学部, 教授 (10183667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 太一 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80312015)
古谷 義隆 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (80385179)
本間 慎也 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (70408334)
佐々木 穂高 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (50433959)
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Keywords | 歯学 / インプラント / 癌 / 発癌率 / 口腔粘膜 |
Research Abstract |
現在、日本は超高齢化社会を向え、インプラント治療を行う高齢者も増加の一途をたどっている。また、口腔粘膜癌の発症は50歳代から急激な増加を示すことが知られており、インプラント適応年齢と一致している。インプラント周囲粘膜が常に慢性炎症を起こし、活発な細胞分裂により遺伝子の変異が蓄積しやすい状態であることから、発癌との相関性が示唆される。我々は、実際にインプラント周囲の下顎歯肉から頬粘膜に進展した扁平上皮癌の症例を経験したことから、「インプラント周囲口腔粘膜は癌化しやすい」と仮説を立て、4-Nitoroquinoline 1-Oxide(4NQO)を用いた口腔癌の自然発癌モデルラットを使用した実験モデルを考案した。これらの結果から、病理学組織学的観察やテロメラーゼ活性の定量等により統計学的に発癌率を比較検討することで、インプラント周囲粘膜上皮と癌化における相関性を明らかにすることが本研究の目的である。 現在まで、本実験における口蓋部用インプラントの決定およびラット口蓋部へのインプラント埋入術式の確立がなされ、今年度は発癌物質(4NQO)投与を行ない、指摘濃度の決定および病理組織学的観察における予備実験を行っていった。埋入後において、インプラント脱落症例が認められたコトから、実験動物用マイクロCTにて、定期的に生存させたままインプラントの残存を確認し、効率性の向上をはかった。現在、4NQOは継続投与中であり、来年度にかけて、4~6カ月における飼育を行ない(1)発癌率における統計(2)病理組織学的検討(3)免疫化学染色による観察を行っていく。
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