2008 Fiscal Year Annual Research Report
捻り試験機の開発とインプラントの荷重疲労試験および捻り試験
Project/Area Number |
20592312
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
渡辺 文彦 The Nippon Dental University, 新潟生命歯学部, 教授 (70112969)
|
Keywords | 曲げモーメント / 咬合荷重疲労試験 / 疲労試験 / インプラント / 捻り試験 |
Research Abstract |
臨床でインプラントとアバットメントとの連結部での破折、アバットメントスクリューの破折が報告されている。このようなことからISO TC/106に日本より提案し、 NWIP(SC8N240)として昨年度、 ISO TC/106ベルリン会議で受理された。これを受け捻り試験法、試験機を試作するため、予備実験としてインプラント連結部の捻り試験を試みてきた。専用の試験機はないため、この試作が課題であり、平成20年8月に予備試験を行った。材料としてexternal連結のセティオインプラント(GC社製)、internal連結のジェネシオインプラント(GC社製)とSPIインプラント(Thomen Medical社製)を各2本ずつ用いた。インプラント体にそれぞれのアバットメントを連結、アバットメントチタンスクリューを20Ncmのトルクにて固定した。専用の捻り試験機は市販されておらず他目的で使用されている島津製作所製オートグラフを改良した捻り試験機(長野工業試験場所有)を用い、インプラント体の中心軸に捻り力が与えられるよう専用のジグを作製した。回転速度0.01rpmでおこなった。その結果いずれのインプラントにおいても永久変形を起こすまでの回転と捻り強度は同様な傾向が認められ、二つの直線から構成される放物線を呈していた。最初の直線は捻り試験開始から0.9Nmの視点までのラインであり次に少し緩やかなカーブを描いていた。また測定後の走査型電子顕微鏡による観察ではセティオインプラントではヘキサゴンの角の部分が崩れていた。またジェネシオインプラントとSPIインプラントではインプラント体のノッチの縁の部分の破壊が認められた。これらの結果から永久破壊、変形が起こり始めた時点は最初の直線のからカーブしている捻り強度の部分であると推測される。以上の結果を日本補綴歯科学会東京・関越支部学術大会にて平成20年10月18日に発表した。この研究は、捻り試験方法の確立(ISO)と、各種インプラントシステムの連結強度さらに界面の破壊面状態を観察し、インプラントシステムの捻り試験の基準値を提示することは歯科医学にとって需要である。
|