2009 Fiscal Year Annual Research Report
捻り試験機の開発とインプラントの荷重疲労試験および捻り試験
Project/Area Number |
20592312
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
渡辺 文彦 The Nippon Dental University, 新潟生命歯学部, 教授 (70112969)
|
Keywords | 曲げモーメント / 咬合荷重疲労試験 / 疲労試験 / インプラント / 捻り試験 |
Research Abstract |
インプラントとアバットメントとの連結部での破折、アバットメントスクリューの破折が臨床で見られる。この原因は咬合荷重疲労や捩じり力によるものと考えられる。インプラントとアバットメントとの連結はそれぞれ各インプラントシステムにより異なっているが、連結部の捩じり強度に関する基準はない。このようなことからISO TC/106に日本より提案し、一昨年NWIP(SC8N240)としてベルリン会議で受理された。これをもとにオートグラフを改良した捩じり試験機(長野工業試験場所有)にてインプラントとアバットメントの内部連結のSPIインプラント(Thomen Medical)とジェネシオインプラント(GC)、外部連結のセティオインプラント(GC)の捩じり試験を行った。しかしこの捩じり試験機はインプラント用の試験機ではないため島津製作所にて捩じり試験機を一昨年試作した。これを用い昨年CAMLOGインプラント(ALTATEC GmbH)直径3.3mm,3.8mm,4.3mm,5.0mm,6.0mmを各6本、合計30本の捩じり試験を行った。試験試料はインプラントにアバットメントを20Ncmで特デジタルトルクメターHDM-5(HIOS Inc.Japan)を用いて連結し、捩じり試験機にセットし、3.6度/分で捩じり、破壊までの強度と破壊曲線を測定した。 また外部連結のセティオインプラント(GC)も同様な試験を行った。また試験後アバットメントを外し、連結部をSEMにて観察した。その結果、破壊曲線は比例限界までの直線とそれ以降の破壊までの曲線からなることが明らかとなり、比例限界、最大破壊強度の平均値を求め比較した。CAMLOGインプラントでは比例限界点での強度は直径3.3mmとそれ以上のインプラント径で有意差があり、太い径ほど大きい値を示した。また最大破壊強度においても直径4.3mmとそれ以上の径のものとの間に有意差があるとこが明らかとなった。また破壊後のSEM観察ではインプラントシステムにより破壊面が異なり、CAMLOGインプラントではアバットメント側が、セティオインプラントではアバットメントとインプラント側の連結部の破壊が認められた。以上の結果を2009年9月ケープタウン(南アフリカ)で行われた第13回ICPで発表した。また捩じり試験機、試験法、CAMLOGインプラントの試験結果を2009年10月大阪でのISO TC/106会議で発表しISO Technical Specification(技術仕様書)として進めることが採択された。これら捩じり試験は試験法の確立と各種市販されるインプラントとアバットメントとの連結強度さらに界面の破壊面状態を観察し、インプラントシステムの捩じり試験による連結部強度の基準値を提示することは歯科医学に重要である。
|