2008 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスが惹起する細胞分化の分子調節機構
Project/Area Number |
20592419
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
中野 敬介 Matsumoto Dental University, 総合歯科医学研究所, 講師 (10325095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡藤 範正 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50194379)
川上 敏行 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (80104892)
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Keywords | メカニカルストレス / 細胞分化 / 分子機構 / 免疫組織化学 / 遺伝子発現 / シグナリング / Runx2 / Msx2 |
Research Abstract |
今年度実施した研究事項と得られた主たる研究成果は以下の通りである。 1.実験的歯の矯正治療時に歯周組織等に誘導される骨芽細胞分化の研究 上記事象の惹起には歯根膜線維芽細胞の分化が密接に関与していることは,昨年度の研究成果で明らかになっていたが,今年度のデータからいわゆる牽引側歯根膜線維芽細胞には刺激を受けた直後から細胞反応が生じ,刺激後20分で既にRunx2の活性化が起こる事が明らかになった。さらに,その促進因子としてMsx2の関与が示された。また,ALPについても同実験系において,Runx2の発現を裏付ける挙動を示したことから,牽引側歯根膜線維芽細胞の分化方向が“骨芽細胞へ向いていることが確認された。このことについては,数回の学会発表と1篇の論文として印刷公表した。 2.傷害刺激因子に対する歯根膜におけるHSPの発現 上記同様な実験系において,歯根膜細胞にその傷害性刺激への細胞反応としてHSPが発現していることを明らかにした。すなわち,いわゆる牽引側では骨芽細胞方向への細胞分化が起こるのであるが,同時に受けた牽引刺激は傷害刺激でもあるわけで,その修復に一役買っているであろう事は推察される。 3.傷害刺激因子に対する歯髄組織でのHSPの発現 上記同様な実験系において,歯根端孔を通っている脈管は相対的な位置移動によって傷害刺激を受け,その結果として歯髄細胞にもHSPが発現していることを明らかにした。
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