2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性神経難病患者・家族と看護職の協働教育プログラムの開発
Project/Area Number |
20592542
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
柊中 智恵子 Kumamoto University, 医学部, 助教 (60274726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 ミツ 広島大学, 保健学研究科, 教授 (60315182)
中込 さと子 広島大学, 保健学研究科, 准教授 (10254484)
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Keywords | 神経難病 / 遺伝 / 患者・家族 / 看護職 / 教育プログラム |
Research Abstract |
今年度は、遺伝性神経難病患者・家族および看護職に面接調査を実施するための文献検討および研究の概念枠組みを行った。また、遺伝性神経難病には様々な疾患があるが、国内外の文献検索の結果、研究目的と照らし合わせて疾患を疾患をFamilial Amyloidotic Polyneuropathy(FAP)に限定した。疾患を限定することによって、疾患特異性が明確になること、看護職の教育プログラムの作成が焦点化しやすいことが利点として挙げられた。患者・家族の調査対象者については、国内の患者会「道しるべの会」「たんぽぽの会」に依頼し、患者・家族および看護職へ面接調査を実施するためのインタビューガイドを作成した。 FAPは、日本・スウェーデン・ポルトガルに多い常染色体優性遺伝の予後不良の神経難病である。日本では、遺伝性ニューパチーの中で最も多い疾患といわれており、難病指定されている。国内外で看護に関する論文は、筆者らの論文しか見当たらなかった。そこで、今年度は、研究の概念枠組みを明確にするために、筆者らが報告したFAP患者・家族に対する看護研究論文5本についてメタ分析を実施した。その結果、看護職に必要な遺伝看護実践能力として、以下のことが必要であった。(1)患者だけでなく、配偶者・子ども・きょうだいも遺伝病であることの苦悩を述べていることから、看護職は患者とその家族の精神的支援を行う。(2)患者・家族は、遺伝について間違った情報を得ている人もいたため、看護職は、患者・家族が遺伝情報を正しく理解することができるように情報の提供を行う。(3)患者は、複数の症状を抱えながら生活していたため、看護職は、患者の生活支援、他の部門との連携を行う。これらの結果より、遺伝看護教育プログラムには以下の内容を盛り込む必要性が明らかになった。(1)精神的支援(2)遺伝情報の提供(3)生活支援(4)他の部門との連携
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