2009 Fiscal Year Annual Research Report
身体機能障害を抱える脳卒中患者の生活の再構築に向けた看護支援システムの開発
Project/Area Number |
20592544
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
福良 薫 Health Sciences University of Hokkaido, 看護福祉学部, 講師 (30299713)
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Keywords | 脳卒中看護 / 身体機能障害 / リハビリテーション看護 |
Research Abstract |
平成21年度は、前年度の脳卒中患者の生活の再構築に関連する要因とそのプロセスの分析をもとに、考案した看護介入を実施した。 具体的には発症から脳浮腫が改善し意識が清明になった時期、バイタルサインズが安定し、本格的リハビリが開始になった時期、行動拡大が図れる時期、退院の目途がついた時期(身体機能としてプラトーが予測される時期)にそれまでの回復の過程と今後どのような生活を考えているかを自由に「語る」場を提供するという介入を試みた。 研究対象は、70歳以下の初発患者で発症前に認知症の徴候がなく、発症時点で認知機能に障害がないかまたは軽度で病識がある者とした。さらに失語症により言語的コミュニケーションが不可能な者を除いた。データ収集は、各時期ごとにその時点での思いや今後の生活に対する考えを聞き取った。データの分析は、対象者の語った内容をGiorgiの分析方法を参考にした現象学的アプローチで行った。 現在4名の対象者に介入を終了している。対象者は何度も自分の退院後の身体状況を想定しながら生活の状況をイメージし、退院に向けて生活の修正を検討していっていた。また、それを定期的に語ることにより心の整理をつけており、「語り」を取り入れた看護介入は有用と思われる。 現在引き続き介入対象者を増やすと共に複数の施設や、複数の看護師による看護介入を試み、その再現性を検討していく予定である。
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