2010 Fiscal Year Annual Research Report
身体機能障害を抱える脳卒中患者の生活の再構築に向けた看護支援システムの開発
Project/Area Number |
20592544
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
福良 薫 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (30299713)
|
Keywords | 脳卒中看護 / 身体機能障害 / リハビリテーション看護 |
Research Abstract |
平成22年度は前年度までの調査で明らかになった脳卒中患者の「病い」の意味づけ過程を参考に、潜在的意識における生活の再構築を支援するプロトコルを作成し、看護介入を実施しその評価を行った。 研究対象なったのは75歳以下の初発の脳卒中により後遺症として麻痺をもつ患者で、認知に障害が無く言語的コミュニケーションが可能な者で研究の主旨、方法、匿名性の保護等について承諾を得た7者である。データ収集は、看護介入時の会話記録とカルテ、リハビリ記録などの記録物とした。分析方法は経時的に対象者の病に対する意味づけと将来の展望を構成し直してその変化を検討した。 結果、介入に同意が得られた7名は全員男性で年齢は49~72歳であった。介入方法は、入院後定期的に「語る」場を提供した。介入の時期は1)点滴治療が終了し、本格的なリハビリテーションを開始する時期、2)リハビリテーションが順調に進み急速な回復の時期、3)退院の目途がつき始める時期とした。「語り」の内容には[その時点までの回復についての捉え][現在の思い][今後の見通しについて]を話す内容を含んだ。入院中一人3~5回の「語り」を取り入れた。対象者は、いずれも本各的なリハビリテーションが始まる時期には、完全な身体の回復とほぼ完全な社会復帰を描いているが、退院近くなり身体機能がプラトーを迎えるころ、人生の再編成を描きはじめるようになっていた。また、この過程で自分の考えを誰かに話したり、自分でノートに記載するなど外部に表出できる場があることで今後の生活への心の整理がついたと語っており、本介入は有効であると考えられた。 今後は、本研究で有効とされるプロトコルの臨床活用に向けてさらに様々な施設の看護師に活用してもらいながらさらに再評価と繰り返していく予定である。
|