2008 Fiscal Year Annual Research Report
終末期がん患者を看取った壮・中年期遺族の心理支援プログラム
Project/Area Number |
20592545
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
中西 陽子 Gunma Prefectural College of Health Sciences, 看護学部, 准教授 (50258886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 規代美 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (80258889)
二渡 玉江 群馬大学, 医学部, 教授 (00143206)
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Keywords | がん終末期 / 遺族 / 壮・中年期 / 心理支援 / プログラム作成 |
Research Abstract |
本研究では遺族の心理的葛藤が最も大きいとされる壮・中年期の配偶者と死別した遺族に焦点を当て、在宅と施設での死別によってケアの必要性、内容に違いがあるのかを明らかにし、遺族ケアにおける看護の役割について検討すると同時に、遺族ケアのプログラムを作成することを目的としている。 平成20年度は、在宅で末期がん患者を介護した家族で、壮・中年期の配偶者と死別し約3年経過した壮・中年期遺族2名(男性1名,女性1名)と、施設(研究協力施設の一般病棟)で末期がん患者(緩和ケアチームの関わりがあった患者)であった配偶者を看取った遺族4名(男性4名)との面接を実施した。 面接で得られたデータ分析の結果、在宅療養を決定した時点で看取りの覚悟をある程度はしていた在宅での遺族に比較して、施設での看取りをした遺族に関しては、最期まで治療への期待や希望が強く、その治療経過の中での医療者との関係の良否が、遺族になっての心理経過にも影響を及ぼす傾向がみられた。また、施設で配偶者を看取った遺族は全員男性であり、配偶者の施設療養により、今まで課せられていなかった家事や育児などの家庭内役割の遂行に最も困難さを抱えていた状況が認められた。また思春期・青年期の子供を持っ遺族では、死別した配偶者の役割(母親役割)代行移行がスムーズにできず、配偶者死別後の子供への関わりについての問題に対する心理的葛藤を抱えていることも認められ、在宅と施設の違い及び性差による遺族ケア内容の検討への示唆を得られた。 ただし、事例数が質的研究の飽和度を満たしていないこともあり、継続して事例を増やし、分析を進めていく予定である。
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