2010 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中急性期における誤嚥性肺炎予防に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20592556
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Research Institution | Aichi Prefectural College of Nursing & Health |
Principal Investigator |
鎌倉 やよい 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (00177560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深田 順子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (60238441)
米田 雅彦 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (80201086)
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Keywords | 脳卒中 / 誤嚥性肺炎 / 唾液中Streptococcus pneumoniae / 唾液中Streptococcus mitis / 唾液中Pseudomonas aeruginosa |
Research Abstract |
脳卒中急性期の患者は、唾液の不顕性誤嚥によって肺炎を合併するリスクが高い。肺炎発症について、患者の口腔内唾液に含まれる3種の細菌量(Streptococcs mitis : S. mitis, Streptococcus pneumoniae : S. pneumoniae, Pseudomonas aeruginosa : P. aeruginosa)との関連を検討した。 対象者は脳卒中(脳出血・脳梗塞)で緊急入院となり、保存的治療を選択され、意識レベルがJCS(Japan Coma Scale)II~IIIであった者14名(平均年齢79.5±9.0歳)であった。対象者の体温・脈拍・血液検査(白血球数・CRP)・胸部X線検査によって肺炎発症を判断し、非肺炎群6名、肺炎群8名に分類した。肺炎群は第2~6病日に発症し、ペニシリン系の抗生剤が使用されていた。口腔内を綿棒で拭って唾液を採取し、各対象者の第5・7・9・11・13病日の10・14・18時の合計15ポイントを測定点とした。これらからreal-time polymerase chain reaction(real-time PCR法)によって、各細菌のDNA量を測定した。非肺炎群では、6名中2名にS. pneumoniaeの増殖が認められ、うち1名にP. aeruginosaを確認した。肺炎群では8名中6名ともS. mitis、S. pneumoniaeの増殖は認められず、このうち4名にP. aeruginosaの増殖を認めた。 以上から、肺炎群では、抗生剤の使用によってS. pneumoniaeは減少したが、口腔内常在細菌のS. mitisも減少し、ペニシリン系抗生剤が効かないP. aeruginosaが増殖したと考えられた。非肺炎群では2名にS. pneumoniaeの増殖が確認され、誤嚥性肺炎発症のリスクが潜在することが示唆された。
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Research Products
(2 results)