2008 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄の歴史と文化に根ざした地域看護活動に関する研究
Project/Area Number |
20592629
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宇座 美代子 University of the Ryukyus, 医学部, 教授 (00253956)
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Keywords | 地域・文化 / 保健師の継続教育 / 看護援助 / 保健師マインド / 沖縄 / 死生観 |
Research Abstract |
本研究の目的は、沖縄の歴史と文化に根ざした地域看護活動の内容を明らかにし、併せて保健師マインドの育成との関連を検討することである。また、この結果を踏まえて、今後の保健師の継続教育のあり方を検討することを目的としている。 平成20年度は、「沖縄の歴史や文化に配慮した地域看護活動の内容や保健師マインドの育成方法」について、沖縄県離島の宮古島市8名、八重山保健所2名、与那国町の保健師1名へのインタビューを実施した。その結果、保健師は地域の伝統的な祭りに配慮した年間計画を作成して活動していたこと、保健師は先輩保健師の経験や考えてきたことを聞き、一緒にひとつのことを議論することによって保健師マインドを継承させてもらっていると感じていたこと、などが明らかになった。 一方、沖縄県看護協会主催の講演会参加者350名に「沖縄の歴史と文化と看護に関する調査」を実施し、225名から回答を得た。沖縄の歴史と文化に関連した看護援助を経験した人は106名(48.8%)であった。その内容はヌジファ(抜霊儀礼:患者が病院で死ぬと家族が霊を自宅に連れて帰るために行う儀礼)に関するものが多かった。年代別にみるとその割合は20代では14.8%、30代38.3%、40代47.5%、50代67.9%であった。このような沖縄特有の死生観の一つと考えられるヌジファの看護場面における実態を明らかにし、地域文化を考慮した看護の対応や継続教育の在り方について検討を深めたい。これらの詳細な分析結果は看護科学学会にて報告する予定である。
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