2010 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者のrecoveryを促進する看護師の態度に関する研究
Project/Area Number |
20592678
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
桑名 行雄 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (90258848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
来栖 清美 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (10368813)
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Keywords | 精神障がい者 / recovery / 精神科看護師 / 態度 / 当事者 / 前向き |
Research Abstract |
3ヶ年計画である本研究の最終目的は、精神障がい者のrecoveryを促進する看護師の態度モデルの構築(試案)を行うことにある。最終年度である平成22年度は、これまでの調査を踏まえ、以下のことを実施した。 1. 精神障がい者への質問紙調査の実施及び分析 全国主要都市の地域活動支援センター等の社会復帰関連施設において無作為に抽出した200施設のうち、調査協力の得られた44施設に225名分の質問紙を送付し、施設長を通じて同意を得た対象者に配布した。質問紙は自記式回答・個別回収とし、調査票への回答及び郵送による回収をもって調査への同意とみなした。回収数は150(回収率66.7%)であり、無効回答を除き131(有効回答率87.3%)を分析対象とした。質問項目は、前年度の調査より抽出した前向きな気持ちにさせる看護師の態度24項目からなり、KMOの標本妥当性の測度は.943、Bartlettの球面性検定では有意差が認められた(x2=1539.743、df=190、p<.001)。因子分析を行い3因子20項目が抽出された。因子の内的整合性の検討では、Cronbachのα係数は.953(20項目)、各因子では.937(13項目).883(5項目).737(2項目)であった。 2. 精神障がい者のrecoveryを促進する看護師の態度モデルの検討 尺度因子として抽出された看護師の態度について、その因子負荷量の多いものをみると、「私が納得できる丁寧な説明をする」「人間として対等であると私が実感できるように対話する」「私の存在価値を認める」「私が親しみを感じられるようざっくばらんに接する」「ユーモアを活用してかかわる」「経済的なことについて助言をする」といった、対象者を慮る対応や親しみが伝わるメッセージ、経済的なことに対してもやりくりの手助けが大事であると示唆された。尺度としての妥当性については課題が残るが、精神障がい者にとって前向きな気持ちにつながる看護援助モデルとして意義のある成果と言える。
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Research Products
(1 results)