2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20599014
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小倉 裕範 University of the Ryukyus, 医学研究科, 助教 (60304557)
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Keywords | 感染免疫 / caspase-1 / NALP3(NLRP3) / IPAF(NLRC4) / Danger signal |
Research Abstract |
本研究では、ふたつのカスパーゼ1制御性NLRタンパク質、NALP3とIPAFのリガンドを探索・同定するために、ふたつの方法を計画した。平成21年度の進展を下に記す。 計画(1) 「NALP3およびIPAFに結合するタンパク質の探索」のために、RAW264.7細胞にASCタンパク質(NALP3とIPAFの補助タンパク質、RAW264.7細胞では欠損している)と、プロテインAタグを付加したNALP3あるいはIPAFタンパク質を恒常的に発現させ、この細胞からNALP3/IPAF複合体を抽出する予定であった。しかし度重なるマイコプラズマの混入により、実験の進行が妨げられている。マイコプラズマ対策を立て、細胞の樹立を急いでいるところである。本研究に並行して、プロテインAタグ付加ASCタンパク質のRAW264.7細胞への導入に成功した。ASCタンパク質を介してMLP3/IPAF複合体を分離する可能性も検討している。 計画(2) 「無細胞系によるNALP3およびIPAF経路の再構成」のために、NALP3、IPAF、カスパーゼ1、ASCの組換えタンパク質の純化を試みたが、これらの純化は困難であることが判明し、断念した。そこで、粗抽出タンパク質の混合によるシグナル伝達系の再構成を考え、試行的実験を行なった。その結果、溶媒中のイオン組成、そして細胞の構造がある程度保たれていることがNALP3依存的なASCタンパク質の重合(カスパーゼ1の活性化に必須な過程とされている)に重要であることがわかった。そこで、細胞を完全に破壊せず、いわゆるセミインタクト細胞化(細胞膜を膜穿孔性物質や界面活性剤などで穿孔し、膜の透過性を上げること)してNALP3/IPAF>ASC>カスパーゼ1経路を再構成させる方針を立て、適切な条件を探し始めた。また、このシグナル伝達経路が細胞内微小構造と密接に関連することが示唆されたので、これらの分子の細胞内局在を、電子顕微鏡を用いて検討し始めた。
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Research Products
(6 results)